2月17日のお遊戯会ではたくさんの皆さまからご来場いただき、ありがとうございました。
その際、園長挨拶で使用したパワーポイントの資料を掲載します。
下記の文字をクリックしてください。PDFファイルが開きます。
園長日誌
有名無実とは「名前は立派だが内容が伴っていないこと」を指す熟語です。
先日、子ども家庭庁は76年ぶりに4,5歳児の配置基準を30対1から25対1に改善すると発表しました。今後はさらに配置基準の改善が進むことを期待していたところですが、やはりカラクリがありました。
現在チーム保育加算といって、保育者を基準以上に配置(当園の規模ですと2名まで)すると、その人件費として給付費(運営費に該当)が加算されます。
今回、このチーム保育加算を取得している施設は対象外となっています。
つまり、25対1に改善するけど、ちゃんと保育者を揃えて頑張っている園にはお金はやらないということです。
案となっていて正式な発表ではないので今後注目です。
少し前に第3子の大学授業料減免の話がありました。我が家も3人目は大学進学を希望していますので、ありがたいと思ったのもつかの間、3人以上扶養に入ってる場合のみということで、我が家は第1子がすでに社会人ですから該当せず。ぬか喜びでした。
最近の国の施策はアピールばかりで内容がない、有名無実なものが多いように感じます。
中身のある少子化対策、子育て支援、質向上を願うばかりです。
明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い申し上げます。
新年早々、大地震に飛行機事故、電車内で刃物を振り回す事件など、痛ましい災害、事故、事件が続き、今年は一体どんな一年になるのか不安な幕開けとなりました。
「終わり良ければ総て良し」の格言のように、最後は良い年だったと言えるよう前向きにいきたいと思います。
さて、昨年はコロナもひと段落、園の行事もコロナ前に戻りつつ、コロナ禍、改めて保育のあり方について精査したことで、子どもたちの発育発達において優先すべきもの、効率よくできるもの、逆に時間がかかっても丁寧にすべきものなどを取り組み始めた一年だったように感じます。
その中で、私自身物足りなさを感じていたのは、「ワクワク感」です。
保育の専門的な知識や技量も大切ですが、子どもも大人も楽しいと思えるものがこのコロナ禍で失われたように思います。
昨年11月、4年ぶりに作品展で食品販売をしました。子どもも大人も楽しそうに過ごす姿に、もっとワクワクすること、子どもたちの記憶に残る「楽しい思い出」を作りたいと思い、今年の6月22日(土)に今までにないイベントを行うことにしました。
仮称ですが「報恩感謝祭(ほうおんかんしゃさい)」(略しておんフェス)です。
内容はこれから詰めていきますが、例えば、今まで子どもたちだけでお参りしていた報恩講を保護者も一緒に、お稚児さまの衣装も着用してお練りも行う。また、作品の展示だけでなく、参加型(ワークショップ)にした子育てフェスを楽しむ。職員だけでなく保護者や地域の皆さまから参加を募り、フリーマーケットやキッチンカー、食品販売を行う。大道芸や演奏会など観て聴いて楽しむなど、園舎前の通りをホコ天にして地域を巻き込んだイベントができればと検討しています。
どこまでできるかわかりませんが、親も子も先生も地域の方々も楽しめる、「ワクワク」するようなイベントにしたいと思います。
2月のお遊戯会で改めてお話しします。保護者の皆さまにもご協力をお願いします。
先日、ベネッセの「子どもの生活と学びに関する親子調査」についての分析記事を読みました。約2万組の親子を対象に2015年から7年間追跡調査した結果ですから、かなり大がかりな調査です。
その中で「子どもの読書行動の実態」についての報告がありました。
家庭の蔵書数が30冊未満と100冊以上を比較すると、小学生、中学生において読書量が約2倍の差、高校生でも1.5倍差があるそうです。
他にも「本を読む大切さ」を保護者が伝えている場合と伝えていない場合では、小学校低学年で約2倍、高学年でも1.7倍差が現れるそうです。
幼少期の読み聞かせについても顕著に現れます。就学前に週4日以上保護者が読み聞かせする場合と、週1日未満の子どもでは、就学後1.5~2倍の読書量の差が続きます。
なぜ読書や読み聞かせが必要なのでしょうか。
乳幼児期においては、親子のコミュニケーション(愛着形成)、語彙力、知識、道徳、想像力、興味、関心、好奇心を育むことができます。
江戸時代の儒学者、貝原益軒はその著書の中で次のようなことを説いています。
「子どもは小さいときから早く良い人に近づけ、良い道を教えるべきである」
教育がないと、人は欲望のままに振る舞ってしまうので、子どもを育てる上でがまんを教え、わがままを押さえて人の道を教えていくことが重要だというのです。
一方、その子どもに対しての教え方は「子どもが好むことを楽しめるようにする(楽しめる環境を作る)ことが大事である」とも述べています。
良い人も良い道も親が探したり教えることは難しいですが、絵本を開くと良い人も良い道も見つけることができます。
本屋さんや図書館には子どもが興味を持った本が必ずあります。子どもが好む本を週1回でもいいので読み聞かせてみませんか。
ちなみに当園では、絵本や紙芝居などを毎日読み聞かせをしています。
報恩講、秋の遠足、公開保育、初参式、園内研修、親子ミニ運動会、誕生会と大きな行事はなかったのですが、小さな行事や活動が目白押しで、10月が慌ただしく終わりました。個人的には全国園長研修大会や教育実践研究会への参加もあり、少し頭の中の交通整理が必要です。
印象的だったお話を一つ紹介します。
先日、文部科学省初等中等教育局幼児教育課長の藤岡謙一氏より「幼児教育の現状と課題」について講演がありました。
ミニ運動会のあいさつでも少し触れましたが、日本社会の課題として
1.AIなどにより大きく変化する社会への対応
2.貧困の連鎖
が挙げられていました。
この課題を克服するためには教育が重要です。
変化の激しい社会に対応するためには、今よりさらに高い資質・能力を身に着けられるよう、教育の充実が求められているというわけです。
しかも教育は積み重ねであるため、幼児教育から高校教育へと各校種において充実を図る必要があります。
また、ペリー就学前教育プロジェクトでも実証されているように、質の高い幼児教育が貧困層の子どもへの支援につながることは周知の事実です。
将来大人になったとき社会で活躍できるように、貧困の連鎖を断ち切り将来安定した生活を送れるようにするためには、教育全体の中で特に幼児教育からの充実が求められているわけです。
ところが2022年日本総研のアンケート結果によりますと保護者は園選びで教育内容を重視していないことが分かりました。
園へのアクセスや施設の雰囲気、保育者への信頼度が上位を占め、幼児教育の取り組み内容に関しては二の次となっています。
もちろん、たまたまアクセスの良い園が質の高い幼児教育を実践していれば、それに越したことはないのですが、残念ながらそうとも限らない場合が現実にあるわけです。
わが子に合う合わないはあるでしょうが、私としては自信をもって幼児教育を提供しておりますので、是非、その教育内容で園選びをしていただきたいと思います。