園長日誌
先月、県内私立幼稚園有志9名でボストンに視察へ行きました。
幼稚園5園、公立小学校1校、子ども博物館、ボストン大学教育学部とかなりのハードスケジュールでしたが、この視察で感じたことをいくつか紹介したいと思います。
■DEIという考え方
Diversity(多様性)、Equity(公平)、Inclusion(包括)が基本方針となっています。裏を返せば、この3点が現在のアメリカでは大きな問題とも言えるでしょう。
日本では園児のほとんどが日本人であり、文化の違いなどを受け入れなければならい差し迫った状況ではありません。「ホームレスの子ども」もほとんど存在しない日本では、貧富の差が以前よりも増してはいますが、アメリカとは比較にならないレベルです。日本でもインクルーシブ保育を推進していますが、予算も人材も乏しく、国家として課題と捉えていないように感じます。
いずれ日本でも大きな問題となって取り組む日がやってくることでしょう。
■STEAM教育を意識
配置基準を除く環境も内容も日本の幼児教育と差がないように感じました。むしろ我が園の先生方はよくがんばっていると再認識しました。一方ボストンの先生方はMath(算数・数学)を意識して保育を展開しています。技術立国である日本ももう少しSTEAM教育を意識する必要性を感じました。
■配置基準に大きな差
ボストンでは州の法律で6歳未満の配置基準は10:1以下(園児10名に先生1人以上)となっています。そのため、すべての園で園児6,7人名に先生1人ぐらいの割合で配置されていました。
日本は4,5歳児で25:1、3歳児で15:1、2歳児で6:1です。日本の先生は本当にがんばっていますが、やはり配置基準が世界基準より大きく乖離しているため、これ以上の保育の質の向上はかなり難しいと思います。
■開園時間
ほとんどの園が夕方5時半ごろまでに閉園します。日本の認定こども園、保育所では11時間以上の開園が義務付けられています。
前述の配置基準、長時間保育が日本の子どもに及ぼす影響は計り知れません。
そして小中学校では過去最高の不登校児童数です。少子化なのにです。
経済優先の保育制度がこの国を亡ばすのではないかと不安になります。
主だったものを挙げましたが、別の機会で保護者の皆さまには報告したいと思います。また、他にも細部において今回視察で得たものはたくさんありますので、早速普段の保育に活用したいと思います。
ハイクオリティな幼稚園から公立幼稚園、森のようちえん等を視察。ボストン大の教授陣と意見交換。
当園では学年ごとのクラス編成となっています。
担任と園児との信頼関係の確立、同年齢の子どもたちと遊ぶ楽しさや、仲間意識の構築が大切だと考えるからです。
6月より毎朝、のびのびタイムを設けました。
のびのびタイムは、3歳児から5歳児がどこでも誰でも何をして遊んでもよい時間です。自由遊びの充実と異年齢交流を目的にしています。
最初はぎこちなく、あまり交流もできていませんでしたが、あえて声掛けをせず、子どもたちがやりたい遊びができる環境づくりに徹してきました。
しばらくすると、3~5歳児だけでなく、2歳児や乳児クラスに遊びに出かける子どももいたり、徐々に異年齢で遊ぶ姿が見られるようになりました。
10月に入ってからは週に1回、ロングのびのびタイムも実施しています。
時間が長くなったことで、遊びに夢中になる時間が増えたり、様々な遊びに挑戦する姿が見られるようになってきました。
年長者がいいお手本となって、遊びの幅が拡がり、お片付けも積極的に手伝う姿が増えてきました。また、年少者を思いやる気持ちも育まれてきているようです。
子どもたちは横のつながりも縦のつながりも当たり前に受け止められる、つまり誰とでもコミュニケーションがとれ、対話ができる一歩を踏み出しました。
自己肯定感を育む要素として、よく「ほめる」ことが大切です。
自己肯定感の高いアメリカの子どもたちは、
①子どもが自分の考えを外に出した時
②何か挑戦しようと自発的に動いた時
によくほめられています。
言葉がけも、「よく思いついたね」「話してくれてありがとう」「ナイストライ」「あなたの○○が好き」など肯定的な言葉がけ、特に上手下手、成功失敗に関係なく、こどもの行動を認める言葉がけが多いです。
ついつい、「上手にできたね」などと口にすることがありますが、これだとさらなる努力を促すことに繋がらない可能性があります。
つまり、結果ではなく、過程をほめることが重要です。
一方、「しかる」はどうでしょうか。
時々、しからない子育て、しからない保育などの言葉を耳にします。実際、本当にしからずに育ったらどうなるでしょうか。
乳幼児期はまだしも成長するにつれて、困難に直面した時に感じる不安や恐怖、不満を制御する能力が育たず、一見、自己肯定感があるように見えますが、物事に挑戦する意識は低くなってしまいます。
つまり、周囲のせいにしたり、注意されても注意した人が悪いととらえてしまうことになりかねません。
当園では、できないからといって「しかる」のはやめよう、相手を傷つける(傷つける恐れがある)とき、自分が怪我する(怪我する恐れがある)ときは、しっかりとしかろうと先生方には伝えています。
では、遊びの邪魔をしたり、ルールを破ったりしたときはどうしましょうか。
私は僧侶でもありますので、「ほめる」「しかる」にもうひとつ加えて「さとす」をお願いしています。
遊びの邪魔をした時を例にしますと、
①なぜ、他の人の遊びを邪魔したのか
②邪魔されたお友だちはどんな気持ちなのか
③自分が邪魔されたらどんな気持ちになるか
善悪の区別はほぼ乳幼児期で決まります。規範意識もほぼ同様です。
大変時間がかかることですが、自分で考えて納得しないと本物の自己肯定感は育まれません。
しっかりと愛情をもって、「ほめる」「しかる」「さとす」で親子間の愛着を形成していきましょう。
間違ってもほめすぎ、しかりすぎ、絶対に暴力もいけません。
令和7(2025)年度の園児募集を開始します。
当園では、入園申込前に必ず園見学をお願いしております。
大切なお子さまが過ごす場所ですので、園の雰囲気や環境、教育保育方針など確認してほしいからです。
園見学を希望される際は、行事等で対応できないことがありますので、お電話で予約をお願いします。
今年も市内幼稚園と協力して就活バスツアーを開催します!
今回は参加しやすいお盆期間、しかも土曜日開催です。
半日で6園の情報が手に入るまたとない機会です。
就活中の学生のみならず、今後を見越して情報集めをしたい学生も是非ご参加ください!
日時 令和6年8月17日(土) 8:40~
対象 養成校に通う学生
詳細は以下をクリックしてください。
就活バスツアー表(2024)
就活バスツアー裏(2024)
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