園長日誌
私は浄土真宗の僧侶でもありますので、日頃からご法話では報恩感謝(ほうおんかんしゃ)のお話をよくします。
人生を生き抜くうえで、私一人では到底生きていくことはできませんし、目に見えるもの、見えないもの、たくさんの支えがあって今を生きていることに重々気づているつもりです。
今年も新潟アルビレックスBBの試合に足繁く通い、ついに中地区優勝を遂げました。
ブースター(バスケットのファンのこと)にとって今シーズンは最高の年であることは間違いありません。是非ともこの勢いでチャンピオンシップも勝ち上がり、ジャイアントキリングを期待しています。
ところで今シーズン、自らの不適切な行為によって出場停止処分を受けていた今村選手が処分解除となり、早速川崎戦から出場しました。
日々反省の中で体育館の清掃活動やスクール訪問、ホームゲーム時には会場の設営、撤収作業、グッズ販売のお手伝いや社会奉仕活動を真摯に取り組んだ結果でした。
その彼が復帰のコメントの中で「バスケットボールをさせていただく上でいろいろな方々に支えていただき、ご支援、ご声援をいただいていたと改めて実感いたしました。そういった方々への感謝の気持ちを忘れずに、日々精進していきたいと思っています。」と述べていました。
辛らつな言葉をかける人もいたことでしょう。それでも腐ることなく、もう一度バスケットができることは、本当にたくさんの支えがあってのことと気づいた今村選手。
報恩感謝を胸に今まで以上に活躍できることは間違いないでしょう。
4月1日、新しい元号の発表に明るい未来を期待するとともに、出典や漢字の意味、発音の仕方など連日ニュースがにぎわっています。
園に関係することと言えば、入園式は平成31年度、卒園式は令和元年度になり、役所関係の書類はすべて5月から元号が変わるぐらいでしょうか。
ちなみに娘が通う中学校では「令和元年度入学式」とフライングしていましたが。
元号など不要だと訴える知識人もいるようですが、面倒だからやめようとか、世界中で日本だけだとか、今一つ納得できない理由です。
諸外国の幼児教育を耳にしたり、実際見に行ったりしますが、確かに幼児教育先進国の内容は素晴らしいと痛感します。反面、日本の幼児教育の良さを改めて確認することも多々あります。
面倒でも幼児教育を丁寧に行うことは世界中どこの国でも共通した認識でしょうが、全世界が全く同じ教育をすることには意味がないように感じます。
あの東日本大震災で秩序を失わず行動した日本人を世界は褒め称えました。サッカーワールドカップでゴミを拾うサポーターやロッカールームをきれいにして退出する選手たちは称賛されました。
それらの行動は日本の教育によってなせる業だと思います。
日本人らしさと世界で暮らす能力のバランスが問われています。
間もなく卒園式を迎え、今年度も終わりが近づいています。と同時に4月から新たな子どもたちを迎え、1年が始まります。平成31年度は1か月で終わり、5月から○○元年度になり、そして10月からは無償化が始まり、大変慌ただしい1年になりそうです。
さて、私が園長になる前、プロ野球の球団が1つ減るかもと大騒ぎになったことがありました。オリックスと近鉄が合併してパ・リーグを6球団から5球団にするというのです。結果はご存知の通り、仙台に東北楽天イーグルスが誕生し、セパ併せて12球団のプロ野球チームが今も熱戦を繰り広げております。
このとき、現在野球解説者の古田さん(元ヤクルトスワローズのキャッチャー)は、1球団減ることに大変危惧しておられ、「1球団減れば、日本のプロ野球は間違いなく衰退していく。全球団協力して維持していかなければ、さらにまた1球団減るに違いない。」といった内容のことを話していました。
日本は現在、超少子化です。
長岡市も毎年生まれてくる子どもは減り続けています。既に出産適齢期の世代が少子化だったわけですから当たり前の結果です。
このままでは市内の幼稚園も減ることになるでしょう。
私は昨年3月まで長岡市私立幼稚園・認定こども園協会の会長を務め、現在は新潟県私立幼稚園・認定こども園協会の副理事長を務めさせていただいております。
古田さんの言葉が今も脳裏に焼き付いている私は、全幼稚園で協力して長岡の新潟県の幼児教育を守る必要があると考え、園での取り組みや知り得た情報はオープンして近隣の園に話しています。
我が園だけが良くなることはあり得ません。
周りの幼稚園と協力し切磋琢磨して「他園もよくなれば、自園もよくなる」と考える「他人主義・他者主義」であることによって、結果的には『こどもファースト』で取り組める幼稚園として生き残るのだと思います。
新潟アルビレックスBBの熱烈なファンである私にとって、今シーズンは夢のような快進撃が続いています。CS(チャンピオンシップ)進出はもちろん、あわよくば優勝などと捕らぬ狸の皮算用、勝手な夢を見て盛り上がっております。
以前、テレビでおなじみの林修先生が勝負に負けるときの3つの要素を話していました。
1.情報不足
2.慢心
3.思い込み
だそうです。今のチームはまさにこの3つが当てはまらないということなのでしょう。
敵をよく研究し、自らの力量を正確に判断し、時には試合の最中であっても修正して臨んでいるということではないでしょうか。
さて、日頃勝負とは縁遠い幼児教育現場はどうでしょう。
今年もたくさんの研修を受け、話し合いもよくおこないました。最新の教育保育の情報収集、毎月毎年繰り返し行う自己評価と関係者、第3者による評価。
教育は勝ち負けではありませんが、情報を集め、自らを振り返り、正しい判断で子どもの評価をおこなっているか問う、そういった姿勢と努力の積み重ねが大切なのだと思います。
今年度は初めて海外研修に2名の教員を派遣しました。
世界的に注目されるニュージーランドのテ・ファーリキ(日本の教育要領のようなもの)とラーニングストーリー(子どもの学びの記録)を学ぶため、実際に現地の園で実習してきました。
当園ではこのニュージーランドのラーニングストーリーを基にフォトフォリオ(ポートフォリオ)を平成27年より作成しています。
また、世界的には新たな「かしこさ」が求められています。それは正確に理解・記憶する力から課題を解決する力へと移行しています。
当園でも新しい教育要領にあるように、主体的・対話的で深い学び、つまり新たなかしこさへの土台作りに既に着手しているところです。日本の教育の良さと海外の良さをうまく融合してベストを目指して取り組んでいます。
また、幼児教育の質の向上を目的として今年度はECEQ(公開保育を活用した質の向上システム)に取り組み、今回いよいよまとめの段階であるSTEP5も実施しました。
昨年12月に実施した公開保育、分科会、全体会を通して、そこでいただいたアドバイス等を実際に実施し、振り返り、今後の展開を皆で話し合いまとめる研修です。
長期間にわたるECEQも残すは今回の内容をコーディネーターに報告し、(公財)全日本私立幼稚園幼児教育研究機構へ最終のまとめの報告をして終了となります。
先生方には大変な苦労をかけましたが、同時にかけがえない経験ができ、間違いなく教員としての質の向上につながったと自負しています。
今回の研修に際して、保護者の皆さまにはご理解とご協力をいただき、感謝申し上げます。
なお、後日なんらかの形で改めてご報告する予定です。
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