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園長日誌

今から20年ぐらい前、自由保育が流行しました。自由保育とは自由遊びを中心とした保育のあり方です。
その後、廃れてしまいましたが最近改めて取り組む園が増えています。
その理由の一つとして、アクティブラーニング(主体的、対話的で深い学び)が注目されていることがあげられます。自ら遊びを選び、友だちと遊び込むことはアクティブラーニングに打ってつけだからです。
当園でも一日の中で自由遊びの時間と教師指導の活動の時間とがあります。
自由遊びにもう少し比重を置きたいとも思うのですが、いくつか問題があります。

環境構成と職員配置が問題

広すぎても狭すぎてもいけません。広すぎると園児が何に興味を持って遊んでいるのか把握しづらくなります。安全管理も難しくなります。
また狭すぎると遊びの選択が減るため効果が小さくなります。
当園において今より効果的な環境を作るためには現園舎を2倍の大きさにするか、もしくは教師指導の保育をやめる、つまり運動会やお遊戯会などの行事をやめて取り組めば効果的な自由遊びができるかもしれません。

日本では4,5歳児で30:1、3歳児で20:1です。当園では15:1で配置していますが、自由遊びを中心としたニュージーランドでは10:1以下で、しかも園の定員が50名以下となっているので、先生が子どもの様子を見渡せる広さとなっています。

すべての子どもが主体的とは限りませんし、対話的とは限りません。つまり、何もしないでぼーっと一日過ごす子もいれば、誰とも遊ばず一人で黙々と遊ぶ子もいます。また、友だち同士意見が合わずケンカする子もいます。
そのような場合、先生は声がけをするわけですが、敷地が広すぎると気がつくのが遅くなります。先生の人数が少なくても同様です。

日本の現制度では自由遊びを中心とした保育はやはり難しいと思います。
とはいえ、教師指導の保育ばかりでは子どもの主体性、コミュニケーション能力の向上において効果的とは言えません。

大事なことは、子どもたち一人一人の様子を把握すること、今何が必要で現環境でできることは何かしっかり情報共有して計画することです。

いろんな保育の形がありますが、こだわらないことにこだわって、バランスよく保育に取り組むしかないようです。

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