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園長日誌

先日、新潟県私学振興会の講演会に参加してきました。
講師は佐渡の尾畑酒造「真野鶴」五代目蔵元、尾畑留美子さんでした。
「佐渡をフィールドとした酒造りと循環型産業」と題し、蔵元になるきっかけや、これまでの取り組みや失敗談、そして現在の新たな取り組みなどを聞かせていただきました。

全体の感想としては、人と人との繋がりの大切さ、これに尽きるのでないかと思いますが、それとは別にひとつ心に残るフレーズがありました。

「人が減ったらできること」

現在の日本は、特に地方においては人口減少が切実な問題となっています。
大抵、人が減ると現状が維持できなくなります。
例えば園児数が減れば大きな行事の開催は難しくなります。まもなく運動会ですが、年長児の遊戯で使うバルーンなどはできなくなりますし、かけっこだって競争相手がいなければ盛り上がりません。

ただし、これは今まで通りに行うとしたらの話です。
あるマンモス幼稚園では一つの競技の参加者が多いために、一人ひとりの園児の出番が少ないという悩みがあるそうです。
人が減れば出番も増えますし、さらに少なくなれば親子のスキンシップを図る行事に変更すればいいだけで、かたちを変えていけばよいだけのことです。
子どもが減ったと嘆いていても何も始まらない、地域のために人が減ったらできることを皆で考えれることが大切なんだと改めて思いました。

振り返ってみれば、園長に就任したその年、園児数は過去最低でした。
もはや風前の灯火の中、空き教室を地域のニーズにこたえるため、未満児の保育室に改装し、調理室を新設しました。
4月、未満児の保育室には園児より先生の数が多く、あっという間に赤字になってしまいましたが、少しずつ園児数が増え、11月ごろになると逆に先生が足りない事態になり、私も保育室に入ったこともありました。

「人が減ったらできること」。
変化の激しい時代ですが、ネガティブに捉えても何も始まりません。
ピンチの中にチャンスありといいますが、現状を受け止めて今私が誰かのために何ができるか、一人ひとりが考え話し合うことが改めて大切なのだと思い出させていただいた講演会でした。

そうそう「主体的、対話的で深い学び」。
子どもたちは少しずつ育んでいます。

令和4年度の完成を目指し、新園舎の建設をこの夏着工します。
今考えられる、また私たちが最大限提供できる園舎を建設します。
時代はものすごいスピードで進み、子どもたちが大人になる頃の世界を予想することは容易ではありません。
だからこそどんな世界になっても対応できる大人になってほしいと願いをこめて、変わらずに大切にしたいもの、留まらず変化すべきものをしっかり見極め、これからも保育を進めていきます。

以下、新園舎の工程、設備、完成までの取り組みについてまとめたリーフを添付しますのでご覧ください。

新園舎概要

新型コロナウイルス感染拡大に伴い休止しておりました子育て支援「コアラのおへや」を6月1日より再開します。
休止前同様、感染防止にご理解とご協力の上、ご利用くださいますようお願いします。

・体調のすぐれない方はご利用できません。
・感染拡大地域(非常事態宣言、まんえん防止地域)の方はご利用できません。
・約2週間以内に感染拡大地域に移動された方も原則ご利用できません。

・施設内での飲食はご遠慮ください。
・長時間の滞在はお控えください。(2時間程度目安)
・人数制限を実施します。お電話でご予約ください。

子育て支援室「コアラのおへや」は、新型コロナウイルス特別警報発令に伴い、長岡市の指導により5月31日まで一時利用休止することになりました。
利用者の皆さまにはご迷惑をおかけしますが、ご理解とご協力をお願いします。

なお、状況により延長することもあります。
再開のめどが立ちましたらHP上でお知らせします。

正式にはムーンショット型研究開発制度といい、破壊的イノベーション創出に向けた挑戦を意味します。
内閣府のホームページにも掲載されている決してSFの話ではありません。
この制度では社会、環境、経済の領域において7つの目標を掲げています。

一つ紹介しますと「2050年までに人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会を実現」とあります。
例を挙げますと、例えば女性や高齢者に力仕事は難しいですが、アバターとロボットを組み合わせることでその能力を強化して従事することができる、といった具合です。現場にいなくてもロボットをリモートで動かして従事できるわけです。

昭和生まれの私にはにわかに想像できませんが、2050年と言えば、今の園児が働き盛りを迎える頃です。その頃には現在では考えられない社会が実現されていることになるわけですから、今を生きる子どもたちは何を育んだらよいのでしょうか。

ヒントは教育要領の3つの柱にあると思います。
「知能・技術」「学びに向かう力・人間性」「思考力・判断力・表現力」です。
一つに秀でている人間は少数です。一つあれば十分ともいえます。しかし、大多数の人間は平凡です。ちょっと秀でていてもどんぐりの背比べ程度です。
となると、偏った、一つに特化した教育は大多数の人間にとっては危険です。たくさん夢があれば一つ破れても別を目指せばいいように、満遍なく様々なモノや現象に興味・関心を拡げ、バランスよく育むことで、いかなる時代が来ようとも対応できる大人になれるのではないでしょうか。
もちろん、その中で秀でたものが見つかれば今後の人生において磨きをかければよいのです。

得意なことも不得意なことも、好きなことも嫌いなことも、時には忍耐強く取り組みながら、次の時代の担い手に育ってほしいと願っています。

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