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園長日誌

連日、暑い日が続き、ここ長岡でも熱中症警戒アラートが毎日発令されて、子どもたちも外出を控える日々が続いています。
エアコンも毎日フル稼働で、来月の請求に今から戦々恐々としています。

さて、昨年同様に不適切保育が未だに報道されます。
あれほどニュースで取り扱われているのに、なぜ今も起きてしまうのか不思議に思うかもしれません。
ちなみに報道をよく考察すると、必ずしも正確に報道されていないことが多々ありますので、気を付けなければなりません。
余談ですが、学生の頃、卒業研究担当教授に言われた言葉を思い出します。
「新聞に掲載されていることの6割は正確ではないので疑ったほうが良い」。当時、6割とは言い過ぎではないかと思っていましたが、あれから30年が過ぎて、今になってその言葉の意味が理解できたように感じます。毎日あれだけの記事が掲載されているのです。すべての記事が正確に裏付けされることは不可能ですし、私の知る専門分野に関しての記事の中には不正確な記事もよく見受けられます。

話を戻します。
今なお、不適切保育が起きる理由として、タイトルにも挙げた通り保育の質に関係します。単純に保育の質といっても大きく分けると3つの質をあげることができます。
構造の質、プロセスの質、成果の質です。
構造は職員配置や環境整備、プロセスは教育保育要領における計画、実践、その検証、成果は一人ひとりの記録、ポートフォリオなどです。
これらの質を上げることで不適切な保育を未然に防ぐ、また万が一起きたとしてもすぐに改善できるのでないかと思います。

しかしながら、この一年でどれほど質が上がったのでしょうか。
構造の質に関して、保育室の環境は創意工夫で改善できますが、根本的な園舎の構造については簡単には変えられません。職員配置も短期間での改善は難しいことでしょう。
プロセスの質は、研修や評価を活用して割と改善しやすいといえますが、慢性的な人手不足の園では研修に参加することもままならい状態ですので難しいのかもしれません。
成果の質は、抜本的な保育事務を見直しすることで、記録の充実を工夫することが可能ですが、改革に時間がかかりそうです。
つまり、質を上げるためには時間と労力がかかるため、不適切と分かっていても改善には、まだまだ時間を要する園があるということになります。
もちろん、大多数の園では以前から日々研鑽しているわけですから、あくまでも一部の園においての話です。

当園ではというと、昨年新園舎が完成し、以前の園舎での課題を克服することで環境改善が進んだと思います。
研修もコロナ前の水準以上に今年度参加する予定です。
教職員のモチベーションを上げるため、各クラステーマを決め、保育研究も実施しています。

子どもたちにとって最善の保育環境を提供するためには、園や保育者の努力だけでは限界があります。制度の見直し、行政による支援、保護者の協力が不可欠です。
社会全体で子どもたちの未来を支えていきましょう。

長岡市私立幼稚園・認定こども園協会では、長岡市と協議し、入園事務の煩雑さと混乱を解消するために、入園受付時期を以下の通り変更しました。

1号認定 令和5年10月2日(月)~ 仮受付(今年度より)

令和5年11月1日(水)~ 本受付、同日入園決定(昨年同様)

2・3号認定 令和5年11月1日(水)~ 受付(昨年同様)

入園申込までの詳細な日程、募集人数につきましては決まり次第ご報告します。

『令和5年度 バスで巡る就活ツアーin長岡』を開催します。
来春、長岡で就職を希望する学生、就活準備に向けて園を知りたい学生、もちろん既卒者も大歓迎です。
参加費は無料。
たくさんの参加、お待ちしております。

バスツアーチラシ表紙(2023)

バスツアーチラシ裏(2023)

教育というと学校教育を指すことが多いようです。幼稚園は文科省管轄の学校ですから、幼児教育も学校教育といってよいでしょう。
しかしながらその目的や方法、評価の仕方は幼児教育と小学校教育とでは違います。

幼児教育では方向目標、間接教育中心ですが、小学校教育では到達目標、直接教育中心に進められます。園児や児童の評価も、幼児教育では個人内評価、小学校教育では評価基準を前提とした絶対評価です。

方向目標とは到達点を示さず、努力の方向やプロセスを指します。ですから教育要領にある「幼児期の終わりの10の姿」は、あくまでも幼児教育の方向性を示したものであり、到達目標ではありません。

また、間接教育とは教育要領に「環境を通して行う教育・保育」と表現されているように、保育者は子どもが自発的、能動的に活動ができ、自らの成長、発達を促す環境を整えることが重要となります。
例えば「砂場」は幼児期において様々な学びを得ることができる環境ですが、ここで得た体験を基に振り返り共感を得ることで、様々な学びを身につけることができます。

先日、年長児に園長からの挑戦状を渡しました。
「やまのうえの がちゃぽんから すなばまで すいろを つくれ」という課題です。園庭にある人工の山の頂上から砂場まで水路を作って水を流すということなのですが、まずは話し合いから始まります。
ペットボトルで、段ボールで、牛乳パックでと何を使って作るか意見が出ます。とりあえず試しに作り始めたのですが、ペットボトルは園児には加工が難しく、すぐに断念。段ボールは加工しやすいですが、水を吸ってしまします。テープを貼ればいいという意見もありましたが、一々貼るのは手間です。結局牛乳パックをつないで作ることになりました。
ところが今度はつなぎ目から水が漏れてしまいます。現在は水漏れを防ぐために試行錯誤中です。今後、見事に水路を作ることができるのか楽しみです。

失敗は新たな発見の連続です。材質の違いを学んだり、気づかないうちに重力についても学んでいます。うまく完成できなくてもいいんです。

ご家庭でもすぐに答えを用意したり手を出したりせず、いろいろチャレンジさせてみてはいかがでしょうか。
人生は始まったばかりですから、今のうちにたくさん失敗しておきましょう。

2023/05/30  ままがいい

「ままがいい」とは「そのままがいい」と「ママがいい」の二つの意味にとることができます。そのままの自分で生きることが当たり前の風潮の中、そのままがいいということは今更なことかもしれません。そのぐらい現代人は自由に生きられるようになったと思います。
もっとも、結婚も子育ても不自由な状態なので、しない方が自由と思われる方もいるでしょうが、実際は不自由な中に自由を感じることができるのが我々ですから、1人で居続けることは、ある意味不自由なことかも知れません。

哲学的な話になってしまいましたが、今回のテーマは「ママがいい」です。
毎年春先は朝からこのフレーズをたくさん聞くことができます。新入園児は今までお家でママと存分に過ごしていたわけですから、得体のしれない先生やお友だちと過ごすことは大変なストレスです。特に週末、ママとたくさん過ごしたあとの月曜日は「ママがいい」の大合唱です。
不思議と「パパがいい」という声はこの四半世紀聞いた記憶がありません。

以前先輩の住職さんからこんな話を聞いたことがあります。
生まれてしばらくは「ママが、ママが」、小学校に通い始めると「先生が」、思春期を迎える頃には「友だちが」に変わり、結婚すると「妻が、夫が」、わが子が大人になると「息子が、娘が」、いよいよいまわの際に立たされると「ほとけさまが」と変わっていきますと。
私たちはその置かれた環境によって何かに依存しながら生きています。依存することは決して悪いことではありません。一人では生きていけない私ですから、誰かに支えてもらうことは当然です。但し、その私も誰かを支える一人である自覚は必要だと思います。

さて、ママが今大変な状況にあります。
専業主婦が大半を占め、女性は家庭を守る昭和な時代は、ある意味、家庭において夫が稼ぎ、女性が家事をする分業制ができていました。
現代は共働きが当たり前となったのですが、家事労働、特に育児は相変わらず、母親の仕事です。いわゆるワンオペ育児です。
前述の通り、残念ながら乳幼児期においてママは大変大きな存在です。パパの出番はママより少ないのは仕方ありません。
ですが、ママも働く以上はパパも家事労働、特に育児に積極的に参加しなければバランスが悪いです。

今年度より乳児クラスの保育参加を実施します。
園での様子を知ってもらうことはもちろんですが、保育者とともに育児を楽しんでもらいたいと思います。今回は任意ですが、パパの参加をいずれは必須にしたいと考えています。

楽をして得られるものは少なく、苦労して得るものは多い。

子育ては楽なことではないですが、互いに支えあって苦労を分かち合うことで、家族の絆を高めてほしいと思います。

 

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