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園長日誌

1年前、中央教育審議会(中教審)が「令和の日本型学校教育」の構築を目指して~すべての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現~(答申)を発表しました。
A4サイズで92ページに及ぶ内容に幼児教育に関する部分は6ページ程度です。もちろん6ページ以外にも関係する内容もありますが、あまり幼稚園は関係ないかと当初は軽く目を通す程度でした。

先日の園内研修で東京家政大学の佐藤教授が個別最適な学び、協働的な学びに触れていて、どこかで聞いた言葉だなと思い、ネットで検索をかけたら中教審のこの言葉がでてきたものですから、改めて読んでみました。

内容については研修内容に沿って現場レベルの一面で捉えますと、保育者が面白いと感じる保育から子ども自身が面白いと感じる保育(個別最適な学び)、そして保育者がその気持ちを汲み取り、他児やその内容を拡げていく保育(協働的な学び)といったところでしょうか。

答申ではその方向性や内容について7項目で示し、改善・充実が求められるものとして、例えば小学校教育との円滑な接続などが挙げられています。
私個人の意見としては既に取り組んでいるものばかりで目新しいものはありませんが、一方でなかなか改善が進まないものもありますので、今後改善のスピードを上げていく必要があると実感しています。
但し、現実問題としてコロナ対策、人材確保対策など喫緊の課題解決が求められる中、限られた時間と労力と予算の中ですべてにスピード感をもって取り組むことは並大抵のことではありません。
無理をすれば必ず歪みが出ます。

今まさに社会の変革期でしかもかなりの速さで進んでいます。
急ぎつつも慌てず、確かな一歩を進めるように取り組みたいと思います。

1月22日(土)、今年最初で最後の園内研修を開催しました。
今年度もかねてからお世話になっております東京家政大学の佐藤康富教授よりご指導いただきました。
8月下旬と今回と2回ご指導いただく予定でしたが、8月の際はデルタ株感染の疑いが園内にあったため中止、今回はオミクロン株が流行しているものの園内に感染の疑いがないので、なんとかリモートではありますが開催することができました。研修に先立ち、10月から問題提議資料や小グループでの話し合いを実施していたので、無駄にならず安堵しています。

佐藤教授の講義を聞く中で、改めて感じたのは先生方がこのコロナ禍でよく頑張ってくれたことです。
せっかく行事や保育の準備をしても、感染対策で取りやめたり、そのため無駄になった物をたくさんありました。
この際、ただ預かることだけに終始してもよかったのですが、心が折れることなく少しでも子どもたちの成長につながるよう、創意工夫の努力を惜しまず取り組んでくれたことに只々感謝しかありません。

保護者の皆さまの中には物足りないと思われた方もいらっしゃると思います。
もちろん、保育を振り返る中でもう少しこうしたらよかったのではないか、ということはありますが、それでも形を変えてでも教育保育を投げ出すことなく続けたことに園長として先生方に賛辞を贈りたいのです。

残すところ最後の大行事としてお遊戯会を控えています。
どんな形になろうとも、開催にこぎつけたいと思います。
保護者の皆さまには子どもたちの体調管理にのみならず、ご家族で協力し合って感染予防にご協力いただきますようお願いします。

 

昨日(12/21) 「こども政策の新たな推進体制に関する基本方針」が閣議決定されました。
「こども庁」は衆議院議員選挙前に突如出てきた構想ですが、選挙では取り上げられることもなく、ここへきていつの間にか「家庭」がくっつき、幼児教育は蚊帳の外となって話が進んでおります。
創設に向けた基本理念を見ても妊娠前からおおよそ成人するまでの児童福祉がメインで、教育は文科省のままです。ほぼ厚労省の一部機能が子ども家庭庁に移管する形になっているように見えます。

園長として期待したいことは、障害児への支援が一本化し、切れ目のない、十分な支援が実現することでしょうか。
現状は切れ目があり、支援額も地域によってバラバラなうえに不十分で、そんな中、インクルーシブ保育を実施することは、現場の先生と園に大変な負担を強いています。

最初は思い描く理想と程遠くても、一歩ずつこどもを巡る環境が良くなることを期待したいと思います。

参考までに以下、創設イメージを添付しました。

こども家庭庁イメージ

それでは皆さま、よいお年をお迎えください。

先日、経営研修会でキリンホールディングス代表取締役社長 磯崎功典さんの講演を聞く機会がありました。
「前例なき変革への挑戦」と題し、CSV企業としての社会的価値、経済的価値をいかに追及していくか、一ビール会社から多角化への変革を聞かせていただきました。

その中で「グローバル化が進む社会において求められる力」として
・想像力
・感性
・リベラルアーツ(歴史、哲学、芸術)
・サイエンス
・英語力
を挙げられました。
見事に非認知能力と認知能力が満遍なく挙げられています。
特に、初めに非認知能力である想像力と感性が挙げられていることが重要な気がします。また、感性を磨く手段として音楽や絵画などに触れることを挙げられました。

また企業の目指すCSVはSDGsの取り組みとも言えます。その中でも環境問題への取り組みは重要で、幼児期からゴミを減らす方法や節電やリサイクルなどに関心を持てるように子どもたちに伝えてほしいと言われました。

それと最後に挙げられた英語力です。
先日開催された設置者・園長全国研修大会でも賛否が分かれる場面がありました。
日本語も満足に話せない幼児に必要があるのか、技術の進歩で同時通訳もまもなく機械で簡単にできるようになる現代で、コミュニケーション言語取得に時間を割く必要があるのかなど否定的な意見がある一方で、英語を理解することは単にコミュニケーションがとれるだけではなく、英語圏の人々の思考や文化も学ぶことになり、教養としての学びにつながるなどの肯定的な意見もあります。

磯崎社長のお話の中にこんな言葉もありました。
「人生無駄なことはない。点が線になる。」
私は大学で電子工学を専攻し、現在はこども園の園長と浄土真宗寺院の住職の任についています。
大学時代に学んだことが直接的には役に立ってないのかもしれませんが、論理的な思考であったり、先生や仲間との出会いは今の私に線となってつながっています。
長岡市内でいち早くICT化を進めているのも私自身の学びや経験が影響していることは間違いありません。

現代はVUCA(先行きが不透明で予測が困難)な時代と言われます。
非認知能力と認知能力が偏ることなく、バランスをとりながら、そして幼児期の学びは小さな点ですが、いつか大きな線となって、社会に貢献できる人間になってもらえるよう願っています。

 

昨年に引き続き、コロナ禍の作品展となりました。
昨年は土曜日に時間帯を細かく分けて分散観覧を実施しました。三密対策はある程度できましたが、観覧時間が短く、ゆっくり見ることができなかったので、今年度は三密対策と観覧時間対策に重点を置いて、作品展ウィークとして月曜から金曜にかけて分散観覧を実施しました。

保育も続けながらの開催なので、遊戯室のみでの開催となりました。
そのため、例年より絵画数が減ったり、共同制作を取りやめたりとなりましたが、異年齢の作品を同時に観覧でき、比較による成長も感じやすかったようです。

来年こそは平時に戻れることを切に願いますが、作品の展示方法や展示期間、展示場所など、新園舎でどのように開催するか今までと違った作品展になることでしょう。

コロナウイルスは作品展のみならず、年間を通してすべての行事や保育を再考するきっかけであったことは間違いありません。
ネガティブに考えるのではなく、むしろ改善できるチャンスとしてポジティブに捉えていきたいと思います。

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