園長日誌
いよいよお遊戯会の時期が来ました。
1年の集大成として各々その年齢に応じて目標を立て行います。
リリックホールという素晴らしい会場で多くの方から観て頂くことは、大変貴重な経験となります。
さて、先日地元の小学校の学校だよりが届きました。
表紙を飾る校長先生のお話をいつも楽しみに読んでいるのですが、今回はその内容に触れたいと思います。
小学校では6年生が「1年生サポートし隊」と表して入学当初、新しい環境に慣れるために6年生が1年生をサポートするそうです。
そのサポートをするにあたり、「サポート8箇条」が定めてあります。
第1条 やり方を教えてあげる
第2条 すべてに手を出さない
第3条 思い切って任せる
第4条 そして見守る
第5条 できないときは助ける
第6条 できたときはほめる
第7条 できたときは自分も喜ぶ
第8条 できると信じる
子どもたちの自立を後押しするための8箇条ですが、私はこれを読んだとき、私たち保育者が目指すものと全く同じだと感じました。
子どもとの立ち位置、距離感というものは前に出たり、横にいたり、後ろから見守ったり、また近づいたり、離れたり、TPOに合わせて絶妙なバランスがとれる保育者が望ましい姿です。
と同時に実は親の姿も同様ではないかと思います。
忙しい日々が続く中で、ついついすべてをしてあげる、できて当たり前とほめもしない、子どもが喜んでいても他人事にように振るまう。これでは自立するどころか益々手がかかり、面倒な存在となることから、園に預けっぱなしなんてことになりかねません。
お遊戯会本番は、緊張して舞い上がってしまい、練習でできたことができなかったり、本番が一番うまくいったりと様々ですが、結果の良し悪しに関わらず、努力したこと、元気に参加できたことなど、一緒に喜び、ほめてあげてほしいと思います。
あけましておめでとうございます
本年もよろしくお願い申し上げます
新年早々暗い話になりますが、コロナ禍で不登校の子どもが過去最高、未成年の自殺も増加傾向にあることはご存知でしょうか。
小学校以上では全員がマスクを着用し、その息苦しさは言うに及ばず、また相手の表情は目元だけで判断することになり、コロナ前からの知人であれば意思疎通もなんとかなるでしょうが、コロナ禍で初めて会う人とはその表情から窺うことは子どもにとっても難しいことでしょう。そのためか、児童間での些細ないざこざも増えていると小学校関係者から聞いております。
以前にも投稿しましたが、学校は友人を作りに行くところです。
その友人との関係構築の妨げになっているのが、マスクではないでしょうか。
実は当初、マスクを着用してもコミュニケーションに支障はないと発言する大学教授もおりましたが、今ではそのような発言をする専門家はおりません。
また、新潟県は幼稚園や保育園、小学校等教育機関に対し、濃厚接触者の特定と自宅待機を続けています。個人的にはすでにどれほどの感染拡大防止効果があるのか疑問ではありますし、ウイズコロナを進める上で支障となっていますので、今すぐやめるべきだと思っています。
来春には2類から5類へと変更し、マスクの着用も大幅に緩和するようです。政府には是非とも子どもたちの精神的な問題にも目を向けた対応を願うばかりです。
先日、当園が所在する中学校区内の保幼小中を対象にした公開保育を実施しました。
同時に施設関係者評価を幼稚園長、小学校長をはじめとする面々にお願いをして実施しました。
新しい園舎になって初めての公開保育実施であり、コロナ禍で思うようにできていなかった異年齢交流をテーマに、コーナー保育の要素も取り入れながらの内容となりました。小中学校、公立保育園の参加が少なく残念でしたが、参加いただいた先生や保護者からはたくさんのご意見をいただき、職員一同大変励みとなりました。
私が園長になって以来、ほぼ毎年公開保育を実施しています。公開保育を実施する意義として、職員の励みとなることはもちろん、閉鎖的な保育の現場において取り組みを明らかにする意味もあります。
保育士による園児虐待のニュースが続いています。一度に3名の保育士が顔も氏名も年齢まで公表されるほどの大きな事件も発生しました。
原因は明確ではありませんが、コロナ禍で精神的にも肉体的にもストレスが溜まる現状、慢性的な人材不足、配置基準をはじめとする改善されない制度などが影響しているかもしれません。
しかし、これらの状況は事件のあった園だけの問題ではないので、他に問題があると思われます。
事件のあった園について確認したいことがあります。それは行事や保育参観、公開保育を未満児であっても実施していたかということです。
当園では未満児ミニ運動会、全園児作品展、1歳児以上のお遊戯会、リモート(オンライン)参観、2者面談など、未満児の保護者が参加する大小の行事があります。
また、園児一人ひとりの成長を共有するポートフォリオ(写真付きなのでフォトフォリオと呼んでいます)も定期的に作成しています。
これらの取り組みは園児の育ちを保護者と保育者とで共有することが目的です。見方を変えれば、問題がある行動を起しづらく抑止する効果もあると言えます。
もちろん、人間は感情的な生き物ですから、ヒヤリとする場面ではつい大きな声を出したりすることもあることでしょう。しかしながら、様々な園の取り組みが誤った行動を抑止することになるのです。
新卒者のオリエンテーションで必ず伝えることがあります。
「子どもと一緒に保育を楽しもう」
世間は益々混とんとしていますが、子どもの笑顔が私たちを救ってくれます。
先日、全日本私立幼稚園連合会設置者・園長全国研修大会に参加してきました。
その中で、記念講演としてある私立高等学校の校長先生の話がありました。
その高校は一時期、経営破綻寸前でしたが、今では進学実績、部活動においても結果をだし、人気校へと変貌を遂げました。様々な取り組みはここでは紹介しませんが、私自身が大切にしているものと、校長先生が伝えてくださった成功へのキーワードを紹介します。
■人格主義
私たちは物事に取り組むとき、テクニックやスキルを磨きます。それ自体は素晴らしいことです。保育者に例えるなら、ピアノが上手、言葉がけのタイミングや内容が秀逸、子どもの見取り、記録が適格、制作が得意など他にもたくさんありますが、どんなに保育テクニックやスキルが高くても、保育にかける情熱がなければよい保育者とは言えません。
「情熱は技術を補うが、技術は情熱を補えない。」
私は新卒者によくこの言葉をかけますが、まさに個性主義<人格主義が大切だということです。
■パラダイムシフト
物事を見るとき、私たちは自らの知識と経験を基に独自の物差しで見てしまいがちです。若い先生方にも情報をたくさん集めて、様々な視点で子どもを見取るよう伝えていますが、なかなか難しいようです。自分を信じ行動することは悪いことではありませんが、信じる前に様々な方向から考察することでより正確に捉えることができます。
■インサイドアウト
思うようにいかない時、私たちはつい他人のせいにすることがあります。
若い保育者がよく口にする言葉があります。
「子どもが言うことを聞いてくれない」
私は決まっていう言葉があります。
「あなたの指導方法はまちがっていませんか。」
もっとわかりやすい方法があるのではないか、もっと効率よくできるのではないか、他人のせいにして他人を変えようとしても変わりません。
自分自身が変わってはじめて周りが変わることを知らなければなりません。
今回校長先生が最後におっしゃった言葉は、タイトルにもあるように最後はどれだけ「本気」で取り組めるかということです。
「本気」でしか物事を動かすことはできなのです。
保育者も、保護者も、もちろん私も、本気になって子どもと接する、案外それだけで充分なのかもしれません。
次年度園児募集の時期になりました。
見学にお越しになる方からやはり、この度の静岡で起きたバス置き去り事故について、その対応を聞かれます。
事故防止の一丁目一番地はコミュニケーションです。
これがかなり重要です。
保育者同士、園児同士、保護者同士、保育者と園児、園児と保護者、保護者と保育者、園と近隣住民など、いずれもコミュニケーションがうまくいっていれば大抵の事故は防げますし、大事に至らずに済むことが多いです。
たとえば、Bちゃんが先生に
「きょうね、Aちゃんおやすみだよ。」
「Bちゃん、教えてくれてありがとう。」
先生はAちゃんのお休みをわかっていても、Bちゃんの言葉を日常において肯定的に受け止めていれば、万が一の時に何気ないBちゃんの言葉で気づくことがあるかもしれません。でももし、
「わかってるよ。聞かせてくれなくてもいいよ。」
と否定的に受け止めていたらどうでしょう。そのうちBちゃんは先生に話さなくなります。
日常の何気ない会話が事故防止につながるわけです。
当園では3歳以上児において、約30名の園児に対して2人で担当しています。法定配置は30:1(3歳児は20:1)ですから目は行き届いていると思います。
しかしながら、それでも15人の園児を1人の先生が見ることはとても難しいことですし、先生1人で15人の園児のすべてを把握することは不可能と言っていいでしょう。
当然、全園児の安全を園長一人で管理できるはずがありません。
昨今、核家族化や少子高齢化による地域住民の減少に加え、コロナ禍において集まることができなかったり、直接会って会話する機会が減っています。
人と人との繋がり、つまりコミュニケーションの重要性が益々高まっているようです。
まずはおはようのあいさつから、子どもたちにも習慣づけてほしいと思います。
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