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園長日誌

12月に実施しました公開保育の評価をまとめましたのでご報告します。
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東京オリンピックの年に改訂施行される小学校学習要領には、新たに高学年では外国語(英語)が教科化され、中学年では外国語活動として取り入られます。

正直私はつい数年前まで幼児期に英語はいらないと考える一人でした。
しかし現実はそうはいかない状況を迎えています。

小学校の外国語教科化だけでなく、大学受験での英語重視傾向(外部検定で評価する大学の急増)、大手企業のみならず地方企業のグローバル化がここ数年で加速度的に進んでいます。
少子化は国内消費を落ち込ませ、国外へ販路を見出さなければならないことは素人でもわかる道理です。

今の幼児が大人になる頃には人生90年~100年。80歳まで働かなくてはならないという予測まで出ています。
持続可能なスキルが求められる中で、英語を話すことは特別なことではないのかもしれません。

昨年から少し英語教育に力を入れています。今年はさらにステップアップします。目標は卒園までに簡単な会話ができるようになることです。
園の教育理念、建学の精神は変えません。日本人としてのアイデンティティを保持しながらどこまで現場で落とし込めるか、職員一同で知恵を絞りながら取り組みます。

大学入試センター試験も終わり、ワイドショーでは地理の出題にあった「ムーミン谷の舞台はどこの国か」が話題になっている。
答えはフィンランドだそうだが、そもそもムーミン谷は架空の場所であり、どこの国という設定はない。
入試センター側は消去法から導けるというのだが苦しい見解だと思う。記述試験ならまだしも正解に色を塗るだけのマークシート試験では、はっきりとしたエビデンス(確証)が必要だと思う。

昨今は幼児教育界でもエビデンスに基づいて教育課程を構築するのが常識となっている。昔ながらの子育てであってもしっかり裏付けがあればよいが、「なんとなく以前からそうしてた」ではいけない。
際たる事例がお昼寝(午睡)である。
保育所運営の基となっている保育所保育指針には午睡の表記がどこにもない。
30年度から新しい指針が施行されるが、そこには表記はされているものの、あくまでも「子どもの年齢や発達過程、家庭での生活や保育時間などを考慮して、必要に応じて取れるように」するものであって、乳児はともかく年長児になっても全員がお昼寝する姿は本来ありえない。

私たちは一つ一つどんな裏付けがあって、どんな効果があるのか精査しているが、気づかずおこなっていることもあると思う。
保護者の方には些細な疑問もそのままにせず、園に訊ねてほしい。
子どもたちのために。

今年も残すところあと数日となりました。
例年と比較すると預かり保育利用者が少ないように感じます。
口うるさく
「親子で過ごす時間が短い」
→「愛情不足に陥りやすい」
→「いじめ・ひきこり・軽犯罪へ繋がりやすい」
と言い続けた成果でしょうか。
と思った矢先にお仕事がお休みなのに夕方まで預ける親もあり・・・。
両親の勤務シフト表を提出させる園もあると聞きます。
保護者の「子に注ぐ愛情」を今しばらく信じたいと思います。

さて、来年度はいよいよ新教育・保育要領が施行されます。
先生方も読み深めながら、実際にどのような形で保育に落とし込むか、もうすでに取り組みは始まっています。
「主体的・対話的で深い学び」とか「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」とか聞きなれない言葉が先行していますが、そもそも今更どうしてなのでしょう。

今の幼児が大人になる頃、現在日本の労働人口の約49%が就いている職業において、人工知能やロボット等に代替することが可能との推計結果が出ています。
そのため「思考の方法」「働く方法」「働くためのツール」「世界の中で生きる」という4つのセクションを見直し、対応しなければなりません。
小学校で外国語が教科になったり、プログラミング活動がおこなわれるのも、そのためと言っていいでしょう。

幼児教育の役割はその土台をつくることです。
「できる」という感覚、「おもしろい」という関心、「使える」という道具(教具)像を育むために、自分で考える、他者と協力する、道具を使う活動をなんとなくではなく、しっかりカリキュラムすることが重要となります。

しかしながら、私たち保育者だけが張り切っても効果は低いのです。
まずは1秒でも多く親子で過ごし、愛情をたっぷり注いでみませんか。

12月11日~14日にかけて公開保育を実施しました。
近隣の園長先生や小学校の校長先生、保護者や地域の方等をお招きして今年で3年目になります。
先生方も慣れてきたかなと思いきや緊張で眠れなかったなどの声を聴くと、改めて公開保育の大変さを痛感します。
参加者には評価もお願いし、後日保育の振り返りを行う際の参考にしています。
その甲斐もあり、おかげ様でこの3年随分と指導力が向上していると感じます。

来年は全日本私立幼稚園幼児教育研究機構が推奨しているECEQ(公開保育を活用した幼児教育の質向上プログラム)を実施しようと考えています。
先生方も大変かもしれませんが、園長も結構大変なプログラムですが、さらに園全体の質を向上すべく取り組みたいと思います。

(4歳児の公開保育の様子)

(2歳児の公開保育の様子)

(3歳児の公開保育の様子)

(5歳児の公開保育の様子)

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