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園長日誌

いよいよ法案も可決され、ほぼ間違いなく10月より保育料の無償化が始まります。
多くの保護者にとって経済的負担が軽減されます。
しかしながら、「タダより高い物はない」何ていうことになりかねないことも。

現場の先生たちが一番心配しているのは「保育の外注化」「保育の長時間化」に拍車がかかることです。
「しつけは園に任せればいい」「家にいるより幼稚園にいた方が子どもも楽しんでいる」なんていう声を聞くことがあります。
任せていただくことも、園が楽しいこともありがたいことですが、残念ながらそううまくはいきません。
幼稚園での充実した幼児教育と親のまなざしが掛け合わさってようやくしなやかに生きる力の基礎が作られていきます。
親の社会性、貢献性は子どもの社会性を育みますから、我が子だけがうまく育つことはなく、我が子のみならず孫にまで影響が及びます。
幼児期の幸せな時間は次の世代への幸せのバトンとなり、親も子も人生最高の時間を過ごすことができるのです。

それが外注化、長時間化によって失われるだけでなく、次のような懸念が生じます。

1.親子の絆の弱い子は、友だちに対して興味をもたない。

2.自分が大切に愛され、受け止めてもらえている実感がないと、攻撃的で自らをコントロールする力(自己調整力)が育たない。

3.親からの関心や認めを感じられない子は、がんばっても自尊感情(自己肯定感)を持つことがない。

幼児期の子育ては本当に大変です。悪いとわかっていてもイライラして子どもに当たったり、放棄したり、夫婦げんかになったり・・・。
安心してください。永遠には続きませんから。必ず小学生、中学生と成長するにつれてあの頃は大変だったけど楽しかったなあと振り返ることができますよ。

花まつりはお釈迦さまの誕生を祝う仏事です。
本来は4月8日ですが、雪の多いこの地域では5月におこなうことが多いようです。
ですから平成最後の花まつりではなく、令和最初の花まつりになりました。

さて、お釈迦さまはお生まれになってあの名言を述べられました。
『天上天下唯我独尊』
天の上にも天の下にもただ私たち一人一人が尊い存在である。

皆が尊い存在ですから、皆で支え支えられなければならないと説かれたのです。
私だけが得をするとか、私だけが幸せであることはなく、あなたの喜びは私の喜び、あなたの苦しみは私の苦しみとおっしゃっています。

AI社会を生きぬく子どもたち。人間にしかできない能力の一つに「おもいやり(ホスピタリティー)」が挙げられます。
お釈迦さまの言葉を頼りに「おもいやり」のある大人になってほしいものです。

2019/04/23 報恩感謝

私は浄土真宗の僧侶でもありますので、日頃からご法話では報恩感謝(ほうおんかんしゃ)のお話をよくします。
人生を生き抜くうえで、私一人では到底生きていくことはできませんし、目に見えるもの、見えないもの、たくさんの支えがあって今を生きていることに重々気づているつもりです。

今年も新潟アルビレックスBBの試合に足繁く通い、ついに中地区優勝を遂げました。
ブースター(バスケットのファンのこと)にとって今シーズンは最高の年であることは間違いありません。是非ともこの勢いでチャンピオンシップも勝ち上がり、ジャイアントキリングを期待しています。

ところで今シーズン、自らの不適切な行為によって出場停止処分を受けていた今村選手が処分解除となり、早速川崎戦から出場しました。
日々反省の中で体育館の清掃活動やスクール訪問、ホームゲーム時には会場の設営、撤収作業、グッズ販売のお手伝いや社会奉仕活動を真摯に取り組んだ結果でした。
その彼が復帰のコメントの中で「バスケットボールをさせていただく上でいろいろな方々に支えていただき、ご支援、ご声援をいただいていたと改めて実感いたしました。そういった方々への感謝の気持ちを忘れずに、日々精進していきたいと思っています。」と述べていました。

辛らつな言葉をかける人もいたことでしょう。それでも腐ることなく、もう一度バスケットができることは、本当にたくさんの支えがあってのことと気づいた今村選手。
報恩感謝を胸に今まで以上に活躍できることは間違いないでしょう。

4月1日、新しい元号の発表に明るい未来を期待するとともに、出典や漢字の意味、発音の仕方など連日ニュースがにぎわっています。
園に関係することと言えば、入園式は平成31年度、卒園式は令和元年度になり、役所関係の書類はすべて5月から元号が変わるぐらいでしょうか。
ちなみに娘が通う中学校では「令和元年度入学式」とフライングしていましたが。

元号など不要だと訴える知識人もいるようですが、面倒だからやめようとか、世界中で日本だけだとか、今一つ納得できない理由です。

諸外国の幼児教育を耳にしたり、実際見に行ったりしますが、確かに幼児教育先進国の内容は素晴らしいと痛感します。反面、日本の幼児教育の良さを改めて確認することも多々あります。

面倒でも幼児教育を丁寧に行うことは世界中どこの国でも共通した認識でしょうが、全世界が全く同じ教育をすることには意味がないように感じます。
あの東日本大震災で秩序を失わず行動した日本人を世界は褒め称えました。サッカーワールドカップでゴミを拾うサポーターやロッカールームをきれいにして退出する選手たちは称賛されました。
それらの行動は日本の教育によってなせる業だと思います。
日本人らしさと世界で暮らす能力のバランスが問われています。

 

間もなく卒園式を迎え、今年度も終わりが近づいています。と同時に4月から新たな子どもたちを迎え、1年が始まります。平成31年度は1か月で終わり、5月から○○元年度になり、そして10月からは無償化が始まり、大変慌ただしい1年になりそうです。

さて、私が園長になる前、プロ野球の球団が1つ減るかもと大騒ぎになったことがありました。オリックスと近鉄が合併してパ・リーグを6球団から5球団にするというのです。結果はご存知の通り、仙台に東北楽天イーグルスが誕生し、セパ併せて12球団のプロ野球チームが今も熱戦を繰り広げております。

このとき、現在野球解説者の古田さん(元ヤクルトスワローズのキャッチャー)は、1球団減ることに大変危惧しておられ、「1球団減れば、日本のプロ野球は間違いなく衰退していく。全球団協力して維持していかなければ、さらにまた1球団減るに違いない。」といった内容のことを話していました。

日本は現在、超少子化です。
長岡市も毎年生まれてくる子どもは減り続けています。既に出産適齢期の世代が少子化だったわけですから当たり前の結果です。
このままでは市内の幼稚園も減ることになるでしょう。

私は昨年3月まで長岡市私立幼稚園・認定こども園協会の会長を務め、現在は新潟県私立幼稚園・認定こども園協会の副理事長を務めさせていただいております。
古田さんの言葉が今も脳裏に焼き付いている私は、全幼稚園で協力して長岡の新潟県の幼児教育を守る必要があると考え、園での取り組みや知り得た情報はオープンして近隣の園に話しています。

我が園だけが良くなることはあり得ません。
周りの幼稚園と協力し切磋琢磨して「他園もよくなれば、自園もよくなる」と考える「他人主義・他者主義」であることによって、結果的には『こどもファースト』で取り組める幼稚園として生き残るのだと思います。

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