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園長日誌

2年前、幼稚園教育要領、保育所保育指針、幼保連携型認定こども園教育・保育要領が改訂されました。
大きく変わったところを中心にそれまでの教育・保育の内容を見直し、現在も取り組み続けているところです。

大きくではないですが、改訂により消えた言葉があります。
「保護者支援」です。
「保護者支援」は「子育て支援」と名称を変えました。実はこの意味が大変重要なんです。
保護者支援とは、ニュアンス的には保護者に必要な支援をすることですので、保護者の代わりに子どもの世話や面倒を見ること、ですから一昔前まで保母とか保父と言っていました。保育士と呼ばれるようになってもその役割は変わりませんでした。
一方「子育て支援」とは保護者の子育てを支援することですから、保護者に子育ての仕方まで伝えることを重視しています。
核家族化が常態化している現代では、正直に申し上げて子育ての仕方がわからまま子育てしている保護者が増えています。
例えば、オムツの替え方やミルクや離乳食の作り方でさえよくわからない、ましては生活に潜む危険性や健康上留意しなければならいことなど知る由もないなんて方が増えているのです。
入園前にオリエンテーションを実施していますが、その内容は多岐にわたり、到底1回で理解できる量ではありません。妊娠中から様々なサークルや教室、支援室(センター)などに通ってくれればいいのですが、産休前まで就労し、産休後すぐに職場復帰となると難しいのかもしれません。

これから母親、父親になる方にお願いしたいのは、皆さんは母親、父親1年生なのです。わからないことがたくさんあって当たり前、だからこそ、周りの子育てについて聞かせてくれる方々の言葉に耳を傾け、やれることからやっていただきたいのです。
一度に全部やれなくても、大事なことからひとつひとつ取り組んでもらいたいと思います。

今年度はコロナ禍のため、保護者総会を実施できなかったので小出しで報告や今年度の目標など掲載しています。

昨年度の先生方の研修会参加数は40回、延べ198名が参加しました。もちろん、1人で40回参加したわけではありませんが、個人的にはかなり多い数だと思っています。
ちなみに過去5年を振り返りますと、H27年度は34回144名、H28年度は41回163名、H29年度は36回157名、H30年度は48回268名となっています。
年度によって、宿泊研修が多かったり、連続性の高い研修があったりするためばらつきがありますが、出来る限り必要な研修を受けてきました。

研修を受ける意味は3つあると思います。
1つ目は最新情報を手に入れることです。日進月歩の社会変化の中で教育機関が昔ながらの手法や考えでは、未来を生きる子どものためにはなりません。
2つ目は現在の取り組みや考えを別の視点で確認することです。自分たちは最善だと思っていたことがそうでもなかったり、逆に当たり前にやっていたことがとても重要なことであったり。自分自身の立ち位置の確認といってもいいでしょう。
3つ目はコミュニケーションです。当園の場合、法人内に小規模保育園と2園しかないので公立園のような転勤はありません。当園のウィークポイントは「井の中の蛙大海を知らず」だと言えます。他の園に勤務する先生方と会話を交わしたり、他園の実践例を見聞することで埋めることができます。

コロナ禍で年度当初予定していた行事も研修計画もめちゃくちゃになりました。
今必死に1年間のカリキュラムを立て直し、今の最善を求めて取り組んでいます。
大変な面が多いのですが、頭を切り替えて思い切っていつもと違う取り組みをしています。これが結構今まで以上に学びが広がったり、興味や関心が深まったりしているので、一層来年度から変えてみようかなど功を奏していることもあります。

ピンチの中にチャンスあり。
先生方の学びの蓄積が生かされています。

本年度の教育目標は

3歳以上児
「やってみよう!」子どもの勇気を笑顔につなげよう
3歳未満児
できるかな?やってみよう!小さな一歩は明日につながる大きな一歩

です。
お分かりの通りキーワードは「やってみよう」です。
どれほど前か忘れましたが、以前から子どもたちの主体性・自己肯定感・コミュニケーション能力の低さが課題であると言われています。
私が園長になって10年ほど経ちますが、この3つのキーワードは当園でも課題となり、毎年少しずつ教育保育の内容も改善し続けています。

10年前と比較して年長児から聞かなくなりつつある言葉があります。
それは「できない!」です。
年少児ぐらいまでは未だによく聞く言葉ですが、園での活動を通し挑戦する気持ち、自分を表現する方法、互いに協力し合う活動が少しずつ身についてきたのではないでしょうか。
それでも時々「無理いいい!」とか「先生やって!」など年長児でもいうことがあります。

今年は新型コロナウイルスの影響で今までにない教育保育を強いられています。
こんな時だからこそ、園児も先生も保護者も全員で知恵を絞り、協力して

「やってみよう!」

を合言葉に取り組みたいと思います。

新型コロナウイルスも徐々に落ち着いてきていることから以下の通り、5月25日(月)から一部対策を緩和します。

今後の対応について【5.22】

コロナ騒ぎの中、降って湧いた「9月入学」。
賛成の理由として「受験に間に合わない」、「留学しやすい」などが挙げられています。
受験に間に合わないのなら受験の内容を変えればいいことだと思うし、留学する生徒は僅かな数であり、少数のために実施するにはあまりにも大きな代償となるのではないかと思います。

さて、幼稚園ではどんな問題があるでしょうか。

金銭的負担について、保育料は無償化ですから保護者の負担はありませんが、給食費、教材費、スクールバス代などは5ヶ月分負担が増えます。大学や高校に比べれば負担は少ない方と言えますが、本来支払う必要のない経費です。

職員配置について、5か月園児が長く在園するため、職員を増やす必要があります。職員や施設の面積が足りなければ待機児童が増えます。一方、入学を早め小学0年生をつくって調整することも考えられますが、その場合小学校教諭が不足し、幼稚園や保育園では職員が過剰となり、職を失う者がでます。特例で幼稚園教諭免許で小学校教諭を代替えすることも考えられますが、幼稚園は1学年減るわけですから運営が厳しい状況になります。

また、幼稚園教育要領や保育所保育指針なども改訂しなければなりません。そのため、先生方も指導を見直さなければなりませんので、教育、保育内容を大幅に変更することになり、相当な時間と労力がかかることでしょう。さらに、新入園児のことを考えると秋に大きな行事を実施することは難しく、新潟県の気候を考えると冬場に屋外の行事は難しいため、春から初夏に行事が集中、大幅な行事の見直しも考えられます。欧米の国々には運動会ようなものがないので、日本的な行事も失われるかもしれません。季節感も変わり、入学=春=桜ではなくなるので、たくさんの唱歌も歌われなくなることでしょう。

細かいことを挙げればもっと問題はありますが、私が声を大にして訴えたいことは「今じゃない」ということです。
現場では毎日コロナウイルスの対応に追われ疲弊しているのに、その上9月入学の対応を迫られてはもやは大混乱は避けられません。
それも保幼小中高大学までですから想像ができません。
細かな問題を一つ一つ丁寧に拾い上げ、教育、福祉、経済、行政等のそれぞれの分野のエキスパートが集まって知恵を絞って取り組まなければうまくいくはずがありません。
そのためには議論が必要であり、その議論も現状満足にできるとは思えないのです。

ですから反対をするわけです。

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