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園長日誌

2020/07/14  研修の報告

7月11日(土)、この日は午前中に園内研修、午後は県私幼中越地区研修会に参加しました。
園内研修では東京家政大学の佐藤教授よりお越しいただく予定でしたが、東京で感染者が増えていることから急遽リモート研修となりました。

午後は県内在住の講師でしたのでリリックホールでの開催でしたが、2人の講師の話を聞いて共通するキーワードがありました。

それは「対話」です。
欧米人のみならずアジア人と比較しても、日本人は討論や議論が苦手な民族なのではないでしょうか。
個人の意見を主張することをあまり良しとせず、会議というと黙っている方が正解と思っている人、案外多いのではないでしょうか。私はというと黙っていられない性分なので良くも悪くも自分の考えを話す方だと思います。同調圧力にならないように気をつけているつもりですが、相手がどう受け止めているか不安なこともあります。
「対話」とは両方の意見を主張したうえで、どう互いの意見を汲み取るか、ここがポイントです。
一般的に「これが正しい」ということはあまりなく、対話によって「これがベター」ともっていくことが結果的にベストになるのではないかと思います。

私自身は新人の先生の意見がとても重要だと思っています。同じ業界に、ましては同じ職場に何十年といると見えているものまで見えなくなることがあります。
それを気づかせてくれるのが、経験の少ない若い先生の意見です。
園内では私は長く生きている分、知識も経験も上位だと自負していますが、決して「すべて正しい」わけではありません。

これからも職員はもちろん、保護者や子どもたちの声に耳を傾けてベストを目指していこうと思います。

2年前、幼稚園教育要領、保育所保育指針、幼保連携型認定こども園教育・保育要領が改訂されました。
大きく変わったところを中心にそれまでの教育・保育の内容を見直し、現在も取り組み続けているところです。

大きくではないですが、改訂により消えた言葉があります。
「保護者支援」です。
「保護者支援」は「子育て支援」と名称を変えました。実はこの意味が大変重要なんです。
保護者支援とは、ニュアンス的には保護者に必要な支援をすることですので、保護者の代わりに子どもの世話や面倒を見ること、ですから一昔前まで保母とか保父と言っていました。保育士と呼ばれるようになってもその役割は変わりませんでした。
一方「子育て支援」とは保護者の子育てを支援することですから、保護者に子育ての仕方まで伝えることを重視しています。
核家族化が常態化している現代では、正直に申し上げて子育ての仕方がわからまま子育てしている保護者が増えています。
例えば、オムツの替え方やミルクや離乳食の作り方でさえよくわからない、ましては生活に潜む危険性や健康上留意しなければならいことなど知る由もないなんて方が増えているのです。
入園前にオリエンテーションを実施していますが、その内容は多岐にわたり、到底1回で理解できる量ではありません。妊娠中から様々なサークルや教室、支援室(センター)などに通ってくれればいいのですが、産休前まで就労し、産休後すぐに職場復帰となると難しいのかもしれません。

これから母親、父親になる方にお願いしたいのは、皆さんは母親、父親1年生なのです。わからないことがたくさんあって当たり前、だからこそ、周りの子育てについて聞かせてくれる方々の言葉に耳を傾け、やれることからやっていただきたいのです。
一度に全部やれなくても、大事なことからひとつひとつ取り組んでもらいたいと思います。

今年度はコロナ禍のため、保護者総会を実施できなかったので小出しで報告や今年度の目標など掲載しています。

昨年度の先生方の研修会参加数は40回、延べ198名が参加しました。もちろん、1人で40回参加したわけではありませんが、個人的にはかなり多い数だと思っています。
ちなみに過去5年を振り返りますと、H27年度は34回144名、H28年度は41回163名、H29年度は36回157名、H30年度は48回268名となっています。
年度によって、宿泊研修が多かったり、連続性の高い研修があったりするためばらつきがありますが、出来る限り必要な研修を受けてきました。

研修を受ける意味は3つあると思います。
1つ目は最新情報を手に入れることです。日進月歩の社会変化の中で教育機関が昔ながらの手法や考えでは、未来を生きる子どものためにはなりません。
2つ目は現在の取り組みや考えを別の視点で確認することです。自分たちは最善だと思っていたことがそうでもなかったり、逆に当たり前にやっていたことがとても重要なことであったり。自分自身の立ち位置の確認といってもいいでしょう。
3つ目はコミュニケーションです。当園の場合、法人内に小規模保育園と2園しかないので公立園のような転勤はありません。当園のウィークポイントは「井の中の蛙大海を知らず」だと言えます。他の園に勤務する先生方と会話を交わしたり、他園の実践例を見聞することで埋めることができます。

コロナ禍で年度当初予定していた行事も研修計画もめちゃくちゃになりました。
今必死に1年間のカリキュラムを立て直し、今の最善を求めて取り組んでいます。
大変な面が多いのですが、頭を切り替えて思い切っていつもと違う取り組みをしています。これが結構今まで以上に学びが広がったり、興味や関心が深まったりしているので、一層来年度から変えてみようかなど功を奏していることもあります。

ピンチの中にチャンスあり。
先生方の学びの蓄積が生かされています。

本年度の教育目標は

3歳以上児
「やってみよう!」子どもの勇気を笑顔につなげよう
3歳未満児
できるかな?やってみよう!小さな一歩は明日につながる大きな一歩

です。
お分かりの通りキーワードは「やってみよう」です。
どれほど前か忘れましたが、以前から子どもたちの主体性・自己肯定感・コミュニケーション能力の低さが課題であると言われています。
私が園長になって10年ほど経ちますが、この3つのキーワードは当園でも課題となり、毎年少しずつ教育保育の内容も改善し続けています。

10年前と比較して年長児から聞かなくなりつつある言葉があります。
それは「できない!」です。
年少児ぐらいまでは未だによく聞く言葉ですが、園での活動を通し挑戦する気持ち、自分を表現する方法、互いに協力し合う活動が少しずつ身についてきたのではないでしょうか。
それでも時々「無理いいい!」とか「先生やって!」など年長児でもいうことがあります。

今年は新型コロナウイルスの影響で今までにない教育保育を強いられています。
こんな時だからこそ、園児も先生も保護者も全員で知恵を絞り、協力して

「やってみよう!」

を合言葉に取り組みたいと思います。

新型コロナウイルスも徐々に落ち着いてきていることから以下の通り、5月25日(月)から一部対策を緩和します。

今後の対応について【5.22】

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