自己肯定感を育む要素として、よく「ほめる」ことが大切です。
自己肯定感の高いアメリカの子どもたちは、
①子どもが自分の考えを外に出した時
②何か挑戦しようと自発的に動いた時
によくほめられています。
言葉がけも、「よく思いついたね」「話してくれてありがとう」「ナイストライ」「あなたの○○が好き」など肯定的な言葉がけ、特に上手下手、成功失敗に関係なく、こどもの行動を認める言葉がけが多いです。
ついつい、「上手にできたね」などと口にすることがありますが、これだとさらなる努力を促すことに繋がらない可能性があります。
つまり、結果ではなく、過程をほめることが重要です。
一方、「しかる」はどうでしょうか。
時々、しからない子育て、しからない保育などの言葉を耳にします。実際、本当にしからずに育ったらどうなるでしょうか。
乳幼児期はまだしも成長するにつれて、困難に直面した時に感じる不安や恐怖、不満を制御する能力が育たず、一見、自己肯定感があるように見えますが、物事に挑戦する意識は低くなってしまいます。
つまり、周囲のせいにしたり、注意されても注意した人が悪いととらえてしまうことになりかねません。
当園では、できないからといって「しかる」のはやめよう、相手を傷つける(傷つける恐れがある)とき、自分が怪我する(怪我する恐れがある)ときは、しっかりとしかろうと先生方には伝えています。
では、遊びの邪魔をしたり、ルールを破ったりしたときはどうしましょうか。
私は僧侶でもありますので、「ほめる」「しかる」にもうひとつ加えて「さとす」をお願いしています。
遊びの邪魔をした時を例にしますと、
①なぜ、他の人の遊びを邪魔したのか
②邪魔されたお友だちはどんな気持ちなのか
③自分が邪魔されたらどんな気持ちになるか
善悪の区別はほぼ乳幼児期で決まります。規範意識もほぼ同様です。
大変時間がかかることですが、自分で考えて納得しないと本物の自己肯定感は育まれません。
しっかりと愛情をもって、「ほめる」「しかる」「さとす」で親子間の愛着を形成していきましょう。
間違ってもほめすぎ、しかりすぎ、絶対に暴力もいけません。