先日、ベネッセの「子どもの生活と学びに関する親子調査」についての分析記事を読みました。約2万組の親子を対象に2015年から7年間追跡調査した結果ですから、かなり大がかりな調査です。
その中で「子どもの読書行動の実態」についての報告がありました。
家庭の蔵書数が30冊未満と100冊以上を比較すると、小学生、中学生において読書量が約2倍の差、高校生でも1.5倍差があるそうです。
他にも「本を読む大切さ」を保護者が伝えている場合と伝えていない場合では、小学校低学年で約2倍、高学年でも1.7倍差が現れるそうです。
幼少期の読み聞かせについても顕著に現れます。就学前に週4日以上保護者が読み聞かせする場合と、週1日未満の子どもでは、就学後1.5~2倍の読書量の差が続きます。
なぜ読書や読み聞かせが必要なのでしょうか。
乳幼児期においては、親子のコミュニケーション(愛着形成)、語彙力、知識、道徳、想像力、興味、関心、好奇心を育むことができます。
江戸時代の儒学者、貝原益軒はその著書の中で次のようなことを説いています。
「子どもは小さいときから早く良い人に近づけ、良い道を教えるべきである」
教育がないと、人は欲望のままに振る舞ってしまうので、子どもを育てる上でがまんを教え、わがままを押さえて人の道を教えていくことが重要だというのです。
一方、その子どもに対しての教え方は「子どもが好むことを楽しめるようにする(楽しめる環境を作る)ことが大事である」とも述べています。
良い人も良い道も親が探したり教えることは難しいですが、絵本を開くと良い人も良い道も見つけることができます。
本屋さんや図書館には子どもが興味を持った本が必ずあります。子どもが好む本を週1回でもいいので読み聞かせてみませんか。
ちなみに当園では、絵本や紙芝居などを毎日読み聞かせをしています。