園長日誌
日本教育公務員弘済会新潟支部様より生徒指導激励助成金をいただきました。
この助成金は人間関係を構築する基礎作りに役立てる趣旨で今年度採用されました。
現在、コロナ禍で通常とは異なる1学期を過ごしておりますが、先生と園児、また園児同士、先生同士がいつもより時間をかけてコミュニケーションをとっています。
特に園児同士のコミュニケーションの向上が例年以上に育まれているように感じます。ですから当然、いつもより子ども同士のトラブルも増えています。
しかしそれは決して悪いことではなく、一つ一つ問題を解決していくことで強い絆も生まれますし、問題を解決する能力も少しずつ養われているのです。
21世紀型の賢さは知識量ではなく、問題解決能力だという話は以前しましたが、急にその能力は上がりません。一緒に楽しんだり、苦しんだり、泣いたり、笑ったりしながら少しずつ養われていくことだと思います。
今日は午前中、園内研究保育を2歳児クラスで行いました。
春から続けているコーナー保育も試行錯誤しながらその内容を変え、さらに遊びも発展している様子が覗えました。
園児同士の会話も春に比べるとずいぶん増えてきているようです。
前回の投稿にもあるように、「対話」が始まったばかりの2歳児でした。
7月11日(土)、この日は午前中に園内研修、午後は県私幼中越地区研修会に参加しました。
園内研修では東京家政大学の佐藤教授よりお越しいただく予定でしたが、東京で感染者が増えていることから急遽リモート研修となりました。
午後は県内在住の講師でしたのでリリックホールでの開催でしたが、2人の講師の話を聞いて共通するキーワードがありました。
それは「対話」です。
欧米人のみならずアジア人と比較しても、日本人は討論や議論が苦手な民族なのではないでしょうか。
個人の意見を主張することをあまり良しとせず、会議というと黙っている方が正解と思っている人、案外多いのではないでしょうか。私はというと黙っていられない性分なので良くも悪くも自分の考えを話す方だと思います。同調圧力にならないように気をつけているつもりですが、相手がどう受け止めているか不安なこともあります。
「対話」とは両方の意見を主張したうえで、どう互いの意見を汲み取るか、ここがポイントです。
一般的に「これが正しい」ということはあまりなく、対話によって「これがベター」ともっていくことが結果的にベストになるのではないかと思います。
私自身は新人の先生の意見がとても重要だと思っています。同じ業界に、ましては同じ職場に何十年といると見えているものまで見えなくなることがあります。
それを気づかせてくれるのが、経験の少ない若い先生の意見です。
園内では私は長く生きている分、知識も経験も上位だと自負していますが、決して「すべて正しい」わけではありません。
これからも職員はもちろん、保護者や子どもたちの声に耳を傾けてベストを目指していこうと思います。
2年前、幼稚園教育要領、保育所保育指針、幼保連携型認定こども園教育・保育要領が改訂されました。
大きく変わったところを中心にそれまでの教育・保育の内容を見直し、現在も取り組み続けているところです。
大きくではないですが、改訂により消えた言葉があります。
「保護者支援」です。
「保護者支援」は「子育て支援」と名称を変えました。実はこの意味が大変重要なんです。
保護者支援とは、ニュアンス的には保護者に必要な支援をすることですので、保護者の代わりに子どもの世話や面倒を見ること、ですから一昔前まで保母とか保父と言っていました。保育士と呼ばれるようになってもその役割は変わりませんでした。
一方「子育て支援」とは保護者の子育てを支援することですから、保護者に子育ての仕方まで伝えることを重視しています。
核家族化が常態化している現代では、正直に申し上げて子育ての仕方がわからまま子育てしている保護者が増えています。
例えば、オムツの替え方やミルクや離乳食の作り方でさえよくわからない、ましては生活に潜む危険性や健康上留意しなければならいことなど知る由もないなんて方が増えているのです。
入園前にオリエンテーションを実施していますが、その内容は多岐にわたり、到底1回で理解できる量ではありません。妊娠中から様々なサークルや教室、支援室(センター)などに通ってくれればいいのですが、産休前まで就労し、産休後すぐに職場復帰となると難しいのかもしれません。
これから母親、父親になる方にお願いしたいのは、皆さんは母親、父親1年生なのです。わからないことがたくさんあって当たり前、だからこそ、周りの子育てについて聞かせてくれる方々の言葉に耳を傾け、やれることからやっていただきたいのです。
一度に全部やれなくても、大事なことからひとつひとつ取り組んでもらいたいと思います。
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