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園長日誌

2023/05/30  ままがいい

「ままがいい」とは「そのままがいい」と「ママがいい」の二つの意味にとることができます。そのままの自分で生きることが当たり前の風潮の中、そのままがいいということは今更なことかもしれません。そのぐらい現代人は自由に生きられるようになったと思います。
もっとも、結婚も子育ても不自由な状態なので、しない方が自由と思われる方もいるでしょうが、実際は不自由な中に自由を感じることができるのが我々ですから、1人で居続けることは、ある意味不自由なことかも知れません。

哲学的な話になってしまいましたが、今回のテーマは「ママがいい」です。
毎年春先は朝からこのフレーズをたくさん聞くことができます。新入園児は今までお家でママと存分に過ごしていたわけですから、得体のしれない先生やお友だちと過ごすことは大変なストレスです。特に週末、ママとたくさん過ごしたあとの月曜日は「ママがいい」の大合唱です。
不思議と「パパがいい」という声はこの四半世紀聞いた記憶がありません。

以前先輩の住職さんからこんな話を聞いたことがあります。
生まれてしばらくは「ママが、ママが」、小学校に通い始めると「先生が」、思春期を迎える頃には「友だちが」に変わり、結婚すると「妻が、夫が」、わが子が大人になると「息子が、娘が」、いよいよいまわの際に立たされると「ほとけさまが」と変わっていきますと。
私たちはその置かれた環境によって何かに依存しながら生きています。依存することは決して悪いことではありません。一人では生きていけない私ですから、誰かに支えてもらうことは当然です。但し、その私も誰かを支える一人である自覚は必要だと思います。

さて、ママが今大変な状況にあります。
専業主婦が大半を占め、女性は家庭を守る昭和な時代は、ある意味、家庭において夫が稼ぎ、女性が家事をする分業制ができていました。
現代は共働きが当たり前となったのですが、家事労働、特に育児は相変わらず、母親の仕事です。いわゆるワンオペ育児です。
前述の通り、残念ながら乳幼児期においてママは大変大きな存在です。パパの出番はママより少ないのは仕方ありません。
ですが、ママも働く以上はパパも家事労働、特に育児に積極的に参加しなければバランスが悪いです。

今年度より乳児クラスの保育参加を実施します。
園での様子を知ってもらうことはもちろんですが、保育者とともに育児を楽しんでもらいたいと思います。今回は任意ですが、パパの参加をいずれは必須にしたいと考えています。

楽をして得られるものは少なく、苦労して得るものは多い。

子育ては楽なことではないですが、互いに支えあって苦労を分かち合うことで、家族の絆を高めてほしいと思います。

 

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