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園長日誌

8月は3回の研修に参加しました。
19日からは静岡、甲府と移動しながら4日間研修に参加、甲府ではフォーラムの内部ゲストも務めさせていただきました。

4日間の研修を振り返って感じたことは、
①多様性
②バランス
③小さな工夫
といったところでしょうか。
実にたくさんの園が様々な手法を用いて実践している、私学ならではの多様性は本当に勉強になります。今回、私を含めて計7名の教員が参加しましたが、明日からの保育にきっと役に立つ実践事例があったことでしょう。

と同時にこれからの幼児教育を考えた場合、今のままで良いということはありません。現代は私たち大人が考える以上に変化のスピードが速まっています。
しかし、すべてを変える必要はなく、過去の実践と新しい実践のバランスの良い取り組みが重要だと思います。すべてを否定して新しいことに挑戦しても保育者、保護者の支持、園児のスムーズな取り組みがなければ良いものにはなりません。

仮に昨年と同じ内容の保育をおこなうにしても、こどもは十人十色なのですから、何よりも子ども声に耳を傾け、その声に沿った工夫が必要となります。また、先生同士情報や実践を共有すること、もちろん計画や結果を受けての振り返りなど地道なPDCAサイクルを繰り返すことも重要です。

いよいよ2学期が始まります。
先生方には研修の成果を反映できるよう期待しています。

アタッチメントという言葉があります。
「誰かに特定の人にくっつきたいと強く思う心の傾向」を指して言います。それは代表的な存在として親であり、他にも祖父母や保育者ということにもなるでしょう。
小さな子どもにとって、不安が生じたとき、あそこに行けば慰めてくれる言わば「安全な避難所」であり、「安心の基地」として再びそこから出発できる存在です。
乳幼児期の安心感は信頼感や不信感を形成する重要な要因となり、その後の人間関係、つまり友だちや恋人との関係においても繰り返されると言われています。

では子どもと接する上で、私たちはどのようなことを気をつければよいでしょうか。
子どもは「転んで痛い」という感情と、「転んで悲しい」という感情はまったく別なものとして捉えています。ですから「大丈夫、痛い?」と寄り添うことで次第に「悲しい」という感情も連動してくるそうです。感情のラベリングと言います。
こうして知り得た感情を今度は別の子が同じ状態になったとき、「転んで悲しい」つまり、いたわりや思いやり、共感性として育まれていきます。
ですから、私たちはまず子どもの気持ちに寄り添ってあげること、子どもの気持ちを汲み取り言葉で語りかけることが重要です。

とはいえ、何でもかんでも寄り添えば良いかというと、気をつけなければならないことがあります。それは先回りをして何でもしてあげることです。「ヘリコプターペアレント」などと言われています。
転ばぬ先の杖として失敗させない、レールを敷いて人生を成功へと導こうとする、つまり過保護です。

子どもから自分に働きかけてきた時だけ手を差し伸べ、抱きしめて、声をかける。
言わば「子どもの応援団」であり、下支えする黒子になることが大切です。

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