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園長日誌

ご入園、ご進級おめでとうございます。

コロナ禍にあり今年度も保護者総会の開催が難しいことから、令和4年度の目標(スローガン)と重点方針についてご報告します。

目標(スローガン)
3歳以上児:自分らしさを発揮して、輝く個性を認め合おう!
3歳未満児:わくわく、ドキドキを大切に、「やりたい、できた」の芽を育もう!

昨年度当園の所在地である長岡市立東中学校区では学区内の小学校、幼稚園、保育所で話し合い、「子どもに育てたい3つの力」として以下のように定めました。
1.多様性の受容(様々な価値観の受容とマイノリティへの理解)
2.たくましさ(他とかかわりながら、問題解決に向かう力)
3.未来へのビジョン(個人・地域・社会の未来を描ける想像力と行動力)
これらを踏まえて教職員で案を出し合って定めました。
一人ひとりの個性や育ちを園児本人、保護者、保育者も認め合いながら伸ばしていける環境作りも併せて重点方針に織り込みました。

重点方針
3歳以上児:
コロナ禍で失われた異年齢交流の機会を増やす。(1学期は4,5歳児で、2学期からは3~5歳児でスーパーウオールを活用した縦割り保育なども検討してコミュニケーションの機会を増やす)
2歳児:
新園舎における保育室と小さな園庭の活用。(空間の垣根を超えた保育を検討し実践する)
0,1歳児:
0歳児室と1歳児室の使い分けと園児間、職員間の新たな交流を検討し実践する。
分園:
本園(新園舎)や地域資源を活用した保育の掘り起こしを実践する。

コロナの影響で遅れております新園舎の建設ですが、現在8月上旬の引き渡しを目指して進んでいます。
6月頃には概ね引越し時期が決まり、引越しの期間は園児の安全を踏まえ休園する予定です。保護者の皆さまにはご理解とご協力をお願いします。

園長になって丸12年になりました。
1年1年楽な年などありませんが、今年は間違いなく一番疲労困憊した1年でした。
その原因は1位コロナ、2位園舎新築工事です。
園舎の新築工事はそれこそ生みの苦しみですから、ポジティブなストレスです。
一方コロナは目に見えない敵との戦いですから、精神的に本当に参りました。

一年を通して行事の変更、延期、中止に何度となく対応に迫られ、年が明けて第6波は2度に渡り感染者が発生しましたが、行政の指導により休園をせず開園、挙句に濃厚接触者の割り出しや後処理は園任せの現状に、疲労とストレスで実際めまいがしたほどです。

一層のこと、最初から行事もやらず、感染防止のみに力を注ぐだけならば楽ができたかもしれません。
でも私たちは諦めず、職員一同協力してやり遂げました。
きっとその姿は子どもたちにも伝わったと思います。

年長児はいよいよ明日から小学生です。
最後まで諦めない心、やり抜く力、そして何よりも一人ではない、仲間がいるからともに進んでいけることを忘れずに、これからの活躍を期待しております。

新入園児説明会でもお話ししましたが、園を運営するにあたり教育保育の方針やルール作りなどを決定する際の基本的な考え方があります。
保育者は複数の園児のことを、保護者は我が子のことを考えて行動するわけですから、2者はともすれば相容れない立場になりかねませんが、基本的な考え方を共有すれば安心して園生活を送れると思い、紹介します。

①チルドレンファースト(こどもがまんなか)
②コンプライアンス(法令遵守)
③エビデンス(根拠・確証)
④コミュニケーション(情報交換)

①ニワトリが先か卵が先かという議論がありますが、私たちはまず子どもにとって有益なのか、を考えます。
保育サービスを提供する場合、保護者にとって有益であるサービスが必ずしも子どもにとって有益で無いことがあります。例えば就労のため長時間預けなければならない家庭にとって延長保育は必要なサービスです。
しかしながら平日お仕事がお休みのときなどは、乳児であれば園を休んでもらってかまいませんし、幼児は教育的要素もあるので休まなくてもいつもより早く迎えに来てもらいたいのです。子どもにとって極端に親子で過ごす時間が短いと愛情不足に陥りやすくなりますし、現にそのようなお子さんを見かけることがあるからです。

②園を運営する上で様々な法令があります。教育基本法に始まり、児童福祉法、学校教育法、学校保健安全法、幼保連携型認定こども園教育・保育要領などとても覚えきれないほどです。(覚える必要もありませんが、頭の片隅には留めています)
すべて遵守しているつもりですが、あまりにも多すぎて、もしかしたら知らず知らずに遵守していないこともあるかもしれません。
但し、園のルールを決める際、特に健康面、安全面においては十分に気をつけて法令に照らして対応しています。

③園では幼稚園教諭、保育士資格を有した教職員、つまり教育の専門的知識を有した保育者が日々子どもたちと過ごしています。もちろん、様々な専門家の研修を通して最新の教育保育の知識を学ぶことで、その効果や意義について裏付けをしています。それ以外にも看護師、栄養士がおり、嘱託として学校医、学校歯科医、学校薬剤師もおります。
大事ないのちをお預りするわけですから、専門的知識による根拠をもって取り組んでいます。

④最後になりますが、実は一番大切なことはコミュニケーションです。
保育者間、保育者と園児、保育者と保護者、親子。
すべてが良好な状態であれば子どもにとって最高の利益となることでしょう。
過去に各地で起きた園での事故の多くは、保育者間、保育者と園児、保育者と保護者のコミュニケーション不足が原因であったことが分かっています。
コロナのワクチンを打つなとか、〇○茶を飲めばコロナに感染しないとか、エビデンスもなければ、そもそも匿名ですからコミュニケーションの取りようもない手紙が全国の学校や園に届きました。当園も多分に漏れずです。
本当に子どものことを思うなら、匿名などではなく、堂々と話せばよいと思いますし、人に聞いた話を鵜呑みにして言われても、にわかに信じるほど愚かではありません。

コロナ禍と言われて2年が経ちました。
相変わらずマスクをし、毎日消毒作業に時間を取られ、本来取り組みたいこともなかなか取り組めない状況が続きます。
だからこそ、慌てず、一つ一つ丁寧に4つの考え方に照らしながら取り組んでいきたいと思います。

まん延防止等重点措置期間が終了することから、子育て支援「コアラのおへや」を3月7日(月)より再開します。
なお、利用にあたっては三密対策として人数制限を実施しますので、ご予約者のみの利用となりますので、予めご容赦ください。

子育てに関する個別の相談はオンラインでも実施しておりますので、ご希望の方は園までお問い合わせください。

1年前、中央教育審議会(中教審)が「令和の日本型学校教育」の構築を目指して~すべての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現~(答申)を発表しました。
A4サイズで92ページに及ぶ内容に幼児教育に関する部分は6ページ程度です。もちろん6ページ以外にも関係する内容もありますが、あまり幼稚園は関係ないかと当初は軽く目を通す程度でした。

先日の園内研修で東京家政大学の佐藤教授が個別最適な学び、協働的な学びに触れていて、どこかで聞いた言葉だなと思い、ネットで検索をかけたら中教審のこの言葉がでてきたものですから、改めて読んでみました。

内容については研修内容に沿って現場レベルの一面で捉えますと、保育者が面白いと感じる保育から子ども自身が面白いと感じる保育(個別最適な学び)、そして保育者がその気持ちを汲み取り、他児やその内容を拡げていく保育(協働的な学び)といったところでしょうか。

答申ではその方向性や内容について7項目で示し、改善・充実が求められるものとして、例えば小学校教育との円滑な接続などが挙げられています。
私個人の意見としては既に取り組んでいるものばかりで目新しいものはありませんが、一方でなかなか改善が進まないものもありますので、今後改善のスピードを上げていく必要があると実感しています。
但し、現実問題としてコロナ対策、人材確保対策など喫緊の課題解決が求められる中、限られた時間と労力と予算の中ですべてにスピード感をもって取り組むことは並大抵のことではありません。
無理をすれば必ず歪みが出ます。

今まさに社会の変革期でしかもかなりの速さで進んでいます。
急ぎつつも慌てず、確かな一歩を進めるように取り組みたいと思います。

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