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園長日誌

先日、「仕事と子育てを両立する上での困りごとについて」のリーフレットがメールで届きました。内閣府が令和3年度に調査研究しまとめたものです。
内容は小学校や家庭、地域など様々な場面ごとにまとめられています。
ここでは幼稚園やこども園、保育園についてまとめられた代表的な困りごとについて触れていきます。

1.入園申込み等の手続き
・入園申込時、入園時、入園後も似たような内容を何度も手書きで書く。
・毎年変わらない内容を年度替わりごとに書くなど。
2.持ち物の準備記名
・オムツやビニール袋まで記名。
・使用済みオムツの持ち帰り。
・週末ごとに布団の持ち帰り。
3.園と保護者の通信手段
・園からのお知らせが紙媒体のため、長期欠席すると受け取れない。
・欠席等の連絡も電話のみ。
4.行事等の日程調整・参加について
・行事が基本的に平日にあり参加できない。
・保護者会等の役員は母親が前提という風潮。
5.その他
・遠方の保育所にしか入園できなかったので送迎が大変。
・保育所によって延長保育時間が異なるため、前もって復帰後の勤務計画を立てることが難しい。

さて、当園での現状を確認していきます。

1.入園事務について。
・長岡市も多分に漏れず、似たような内容を何度も書きます。長岡市私立幼稚園・認定こども園協会では毎年改善をお願いし、わずかながら簡素化していますが、残念ながらすべて手書きです。行政に頑張ってもらいましょう。
2.持ち物の準備記名について。
・オムツは記名をお願いしています。サブスクはどうかと昨年アンケートをとりましたが、賛成は1割もいませんでした。やはり利用金額がネックのようです。
アイラップなどのビニール袋は今年から園で用意しているので記名はありませんが、持ち物の記名は紛失防ぐために必要不可欠です。
・使用済みのオムツは12年前から園で処分しています。
・お布団は掛け布団(タオルケット)のみ保護者が用意していますので、負担は少ないと思います。
3.園と保護者の通信手段。
・園からのお知らせは9割方web上で閲覧できます。スマホでいつでも閲覧できるので、特に給食の献立は便利なようです。
・欠席連絡もweb上で申請できますので、朝バタバタと電話する必要がありません。
4.行事等の日程調整・参加について。
・運動会・作品展・お遊戯会は土曜開催、親子遠足、保育参観は平日開催です。保育参観は参加しやすいように複数日設定しています。保育参観は一部オンラインも活用しています。
・保護者会はやはり母親がメインです。保育者の大半が女性であることも関係してるかもしれません。
5.その他
・勤務地や実家が近い、または通り道など、自宅の近くを選ばず、生活環境に合わせて園を選ぶ保護者が増えています。
・長岡市内は概ね7時-19時の園が多いようです。当園も同様です。

代表的な困りごとは当園ではかなり解消していると思います。
とはいえ、社会全体が子育てしやすい環境作りを進めないと少子化対策にも繋がらないように思います。
子育てにかかる費用軽減を進めると同時に給与水準も上げること、既にOECDの中でトップクラスの長時間保育を実施しているので、今後は定時に退勤できるように社会が企業が取り組むことなどが挙げられます。

未曾有の少子化が進む中、スピード感を持って対策していかなければなりませんが、改めて家族、親戚、友人など身近な仲間との関係性、共に支え合っているかどうか、見つめ直すことも大切だと感じます。

令和5年度のスローガンが決まりました。

■3歳以上児
「やってみたい!」の芽を大切にして「できた!」の花を咲かせよう

■3歳未満児
はじける笑顔 元気な身体 小さな冒険家を育てよう

です。
主体性を基に以上児は自己肯定感を、未満児は心身のバランスを重視しました。
朝礼の際には声に出して職員全員の意識付けをし取り組んでいきます。

ご存知の方もいらっしゃると思いますが、私は浄土真宗本願寺派の僧侶であり、園長職にあるこの園は、私が住職を務める寺の敷地内にあります。
先日、僧侶研修会に参加した時のことです。内容は「根欠と障害者差別」についてでした。「根欠」とは聞きなれない言葉ですが、主に身体的障害を指します。研修の中で2つのキーワードが出てきました。それは障害の原因を「個人モデル」と「社会モデル」という視点で考えるということです。

「個人モデル」とは自分中心にした視点で、健常者である自分と比較して現在社会に適応できない身体的精神的特徴を持つ人を一方的に「障害者」とみなすことです。
例えば、「障害は個人の努力によって克服するべきもの」とか、「障害者はかわいそうだから、健常者と同じことを達成したことで感動」といった無意識に見下している様子です。

一方「社会モデル」とは、社会の心理的制度的な様々な障壁において排除される人たちを「障害者」とみることです。
例えば、私は高校時代から眼鏡をかけていますが、現代社会においては視力が低いからといって差別する人はいません。しかしながら眼鏡がない時代であれば、私は身体障害者となるのです。足の悪い人は車椅子を利用しますが、どこまでも車椅子で行くことができれば、障害ではなくなります。

さて、今度は園長として、現在北イリノイ大学で教鞭をとる清水秀規准教授から「日本文化を軸にした子育てと教育の柔軟性、多様性と創造性について」という講演を聞く機会がありました。

教育要領に「主体的・対話的で深い学び」とあります。主体性を考えたとき、それは「こだわり」と受け止めてはどうかという話がありました。そしてそこには「智慧」があり、私のためだけでない、相手と共有することだと聞きました。

子どもたちの成長を見るとき、ごく自然に別の子どもと比較します。例えば3歳児であればこれぐらいはできる、という考え方も比較によるものです。比較による評価をすべて否定するつもりはありません。定型発達という言葉も比較によるものです。

今回、全く別の研修から改めて考えさせられたことは、私たちが常識的に見ている見立てが必ずしも正しいとは限らないということです。様々な物差しを持ってきて図る多様性が必要です。
そして今の日本の教育で取り組んでいる「主体的・対話的で深い学び」が花開くとき、誰もが住みよい社会が誕生することでしょう。

いよいよお遊戯会の時期が来ました。
1年の集大成として各々その年齢に応じて目標を立て行います。
リリックホールという素晴らしい会場で多くの方から観て頂くことは、大変貴重な経験となります。

さて、先日地元の小学校の学校だよりが届きました。
表紙を飾る校長先生のお話をいつも楽しみに読んでいるのですが、今回はその内容に触れたいと思います。
小学校では6年生が「1年生サポートし隊」と表して入学当初、新しい環境に慣れるために6年生が1年生をサポートするそうです。
そのサポートをするにあたり、「サポート8箇条」が定めてあります。

第1条 やり方を教えてあげる
第2条 すべてに手を出さない
第3条 思い切って任せる
第4条 そして見守る
第5条 できないときは助ける
第6条 できたときはほめる
第7条 できたときは自分も喜ぶ
第8条 できると信じる

子どもたちの自立を後押しするための8箇条ですが、私はこれを読んだとき、私たち保育者が目指すものと全く同じだと感じました。
子どもとの立ち位置、距離感というものは前に出たり、横にいたり、後ろから見守ったり、また近づいたり、離れたり、TPOに合わせて絶妙なバランスがとれる保育者が望ましい姿です。
と同時に実は親の姿も同様ではないかと思います。
忙しい日々が続く中で、ついついすべてをしてあげる、できて当たり前とほめもしない、子どもが喜んでいても他人事にように振るまう。これでは自立するどころか益々手がかかり、面倒な存在となることから、園に預けっぱなしなんてことになりかねません。

お遊戯会本番は、緊張して舞い上がってしまい、練習でできたことができなかったり、本番が一番うまくいったりと様々ですが、結果の良し悪しに関わらず、努力したこと、元気に参加できたことなど、一緒に喜び、ほめてあげてほしいと思います。

 

あけましておめでとうございます
本年もよろしくお願い申し上げます

新年早々暗い話になりますが、コロナ禍で不登校の子どもが過去最高、未成年の自殺も増加傾向にあることはご存知でしょうか。
小学校以上では全員がマスクを着用し、その息苦しさは言うに及ばず、また相手の表情は目元だけで判断することになり、コロナ前からの知人であれば意思疎通もなんとかなるでしょうが、コロナ禍で初めて会う人とはその表情から窺うことは子どもにとっても難しいことでしょう。そのためか、児童間での些細ないざこざも増えていると小学校関係者から聞いております。

以前にも投稿しましたが、学校は友人を作りに行くところです。
その友人との関係構築の妨げになっているのが、マスクではないでしょうか。
実は当初、マスクを着用してもコミュニケーションに支障はないと発言する大学教授もおりましたが、今ではそのような発言をする専門家はおりません。
また、新潟県は幼稚園や保育園、小学校等教育機関に対し、濃厚接触者の特定と自宅待機を続けています。個人的にはすでにどれほどの感染拡大防止効果があるのか疑問ではありますし、ウイズコロナを進める上で支障となっていますので、今すぐやめるべきだと思っています。

来春には2類から5類へと変更し、マスクの着用も大幅に緩和するようです。政府には是非とも子どもたちの精神的な問題にも目を向けた対応を願うばかりです。

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