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園長日誌

10月23日、令和2年度初参式をお勤めしました。
初参式(しょさんしき)とは、これからの人生を仏さまのお慈悲に包まれて生きていけるよう、人生の出発にあたり、その誕生を仏さまにご報告する式です。赤ちゃんが初めてお寺にお参りする初参式は、子にとってはじめてのお参りですが、同時に親にとっても親として生きる出発点であり、子によっていただいた尊いご縁でもあります。
今年はビーバー、バンビ組の子どもたちから25組の親子参拝となりました。
読経の後お話をするのですが、泣く子あり、動き回る子ありで話の内容を覚えていない保護者の方もいらっしゃるので、少し触れたいと思います。

本日はお足元の悪い中、お参りいただきましてありがとうございます。

今年は新型コロナウイルス感染症対策のため、行事の中止、延期が余儀なくされ、今日も歯科検診と日程が被ることになりました。これから作品展、お遊戯会と大きな行事をまだ残しておりますが、例年通りには実施できないことを予めご容赦いただきたいと思います。

さて、16年前の今日、午後5時56分中越地震が発生しました。小学生や乳幼児も亡くなりました。もし、地震がなかったら今ちょうど皆さんと同じように子育て真っ最中だったかもしれません。
そう考えますと、こうして子を育て今まさに生きていることは奇跡であり、本当にありがたいことです。

しかしながら、子育ては簡単なことではなく、子育てを苦痛に思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

教育基本法には、その第5条に保護者は子どもに普通教育を受けさせる義務があり、第10条にはこの教育について保護者が第一義的責任を負うと明記されています。
ですから我々教職員は保護者の子育てをお手伝いはできますが、どこまでもお手伝い止まりであり、すべての子育ての責任と義務は皆さんにかかっているわけですので、大変な責務であります。

先生方はそのお手伝いをするために計画を立て準備をし、記録と報告をします。それは決して楽しい仕事ではありません。でも、子どもと接するときは一緒になって楽しむように心がけています。先生が仏頂面して接していれば子どもも笑顔がなくなるからです。

保護者の皆さんはいかがでしょうか。
生活に疲れているのか送迎時には随分疲れた顔や眉間にしわが寄っている父母を見受けることがあります。そして子も同様に親の顔を映しています。

仏さまをたたえる「和顔愛語」という言葉があります。顔和やかに言葉愛しいという意味です。そのようになるためには自分自身、意識しなければなりません。夫が悪い、妻が悪い、家族が悪い、園が悪い、会社が悪い、社会が悪いと他人のせいにしてみても何も変わりません。

変えることができるのは自分自身だけなのです。

お釈迦さまは「人生は苦なり」といいました。
苦労があるからこそ、そこに喜びがあると伝えてくれました。
子育ては大変でしょうが、一生続くわけではありません。
自分自身で子育てによろこびを見つけ、楽しく子育てができることを切に願います。

本日はようこそのお参りでした。

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